パリ 凱旋門賞観戦記 <フランス編その1> | フランスの旅行記

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パリ 凱旋門賞観戦記 <フランス編その1>

エリア
フランス
/フランス
テーマ
他スポーツ観戦
時期
2012/10/5~2012/10/8
投稿日
2012/10/25
更新日
2017/10/6
投稿者
小圷 孝幸

 伝説の名馬、と呼ばれるにはまだもう少しの時間が必要だと思いますが、かのディープインパクトがパリ凱旋門賞に出走し、3着に敗れたのはもう6年前になります。当時私はロンシャン競馬場のターフ、決勝線の前で立ち見し、ゴールの瞬間、大きなため息を漏らしたことを、今更のように思い出します。

 現在までに日本馬は何頭かこの世界最高峰と称されるレースに挑戦し、昨年のナカヤマフェスタを含めて最高位は2着。しかし今年は、優勝の期待を背負って三冠の三歳馬、オルフェーヴルの挑戦が決まりました。

 私自身もこの6年の間、海外に出る機会がなく、本当に久しぶりのヨーロッパとなりますが、オルフェーヴルの走る姿を見に、いざロンシャンヘ!

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日数:5日間  
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  • パリの中心を外すホテルのススメ

     ドゴール空港に着いた途端に雨が降ってまいりました。入国し、オペラまでのRoissy Busに乗っている間にも、だんだん激しくなってきます。明日の馬場状態が心配です。(結局重馬場でレースは行われたようです。)

     今夜のホテルは、ロンシャン競馬場のあるブローニュの森の近くにある2つ星のプチホテルです。ブローニュには2つの競馬場の他に、テニス全仏オープンの会場になるRoland Garros、フットボールチーム、パリ・サンジェルマンの本拠地Parc des Princesなどがあり、これらの観戦に行かれる方のご滞在にはお勧めできる地区です。ただし誤解のないように申し添えますが、ホテル所在地の郵便番号が75で始まらないのは、パリ市内ではありません。ここはパリに隣接する衛星市の1つです。

     ではなぜお勧めなのか、というポイントを私なりに挙げてみます。

    「パリで最も治安が良いと言われている16区に隣接している。」
    「メトロに乗れば乗り換えなしで中心まで行くことができる。」
    「同程度の設備、星の数で比較すると、パリ市内よりも、ホテル代金がお得。」

    そんなところでしょうか。皆さんそこで考えてみてください。例えばオペラガルニエの周辺に泊まるということは、東京で言えば歌舞伎座(中央区銀座)周辺に泊まるようなものです。凱旋門周辺に泊まるということは東京タワー(港区芝)周辺に泊まるようなものです。地価と税金の高さは、そのまま宿泊代にはね返ります。もしくは宿泊代を抑えて設備とサービスの質を落とす、ということもあるかもしれません。

     パリは初めてです、ヨーロッパは初めてです、という方は、中心地にお泊りになったほうが、観光には都合がよろしいのですが、先ほど申し上げたスポーツ観戦のように、何か目的をお持ちでパリを訪ねられる方には、ご一考をお願いしたい地区です。
     
    Hotel B Paris Boulogne**
    210 bis Boulevard Jean Jaures Boulogne-Billancourt 92100
    http://www.hotelbparisboulogne.com/

    写真左…Hotel B Paris Boulogne外観
    写真中…同じく寝室
    写真右…同じく朝食の一例

  • 「パリで食す”最高のファストフード”」だと私が思うもの

     ホテルへチェックインしても雨はやまず、貸し自転車でのパリ巡りは明日の午前中にまわすことにして、明日の夜行列車の予約と夕食をとるために、傘を持って外に出ました。夜行列車の予約は大きな駅であればどこでもできるので、メトロ1本で行けるオステルリッツ駅へ。カウンターのマダムとは、ほぼ筆談でやり取りし、何とか寝台予約券をゲット。再度メトロに乗車し、途中1回乗り換えて、7号線のTolbiacの駅へ。
     
     この駅を降りて地上に出ると、そこはパリの中華街のまっただなか。お店の看板も漢字で書いてあります。雨の中を5分ほど歩くと、行列ができていますのですぐわかります。この時はラッキーだったのですが、行列は4名から6名のグループが席の空くのを待っているだけで、1人だと先に相席に案内してくれます。殆ど並ばずに外のテーブル席へ(雨除けのビニールシートあり)。いつも感心するのですが、ここは注文してから供されるまでがとにかく短く、あっという間に出てきます。客の回転が速いので、行列ができていても待たされる時間は短いし、より多くのお客様を捌くことにより売上もアップ、という好循環を作り出しています。

     フォーはベトナムのうどんのようなもの。フォーを中心に何品かベトナム料理とデザートが用意されています。ベトナムの旧宗主国の首都で食べる究極のファーストフード、ヨーロッパの食事で胃が疲れたときに特にお勧めです。
     
    PHO14
    129 Avenue de Choisy,75013 Paris
    12:00~23:00 不定休
     
    写真左…お店の外テラス席
    写真右…生牛肉とミートボール入りフォー

  • 市内移動ゲームのあとで、「睡蓮」に癒される

     翌日はうって変わって晴天、とてもいいお天気になりました。今日のレースは午後からですので、午前中は昨日出来なかった、オランジュリー美術館を訪ねます。
     
     夜は列車でパリを離れますので、大きな荷物はオステルリッツ駅のコインロッカーへ。身軽になり、駅構内にある共同貸し自転車Velibのステーションへ。Velibは、パリ市内および周辺の町にあるステーション(公共の自転車駐輪場)間を乗り降り自由に使える貸し自転車システムのことで、パリ市が数年前に市内の渋滞緩和策として導入したものです。
     
    基本的な使い方
    ・まず市内のどこかのステーションを探し、操作端末Borneに向かいます。
    (スマホのアプリを出発前にダウンロードしておくことをお勧めします。公式非公式いくつかのアプリがありますので、使いやすいものを。)

    ・(一部日本語対応のBorneもあるようですが、使いやすい言語を選択、)初期登録を済ませます。1日もしくは7日有効を選び、暗証番号4桁を登録、クレジットカードで登録費用を支払うと、(ちなみに1日有効は1.7ユーロ)Velib Cardが発行されます。

    ・自転車を借りるときは、Velib Cardに記載してある7桁の番号と自分で決めた暗証番号の入力が必要です。画面に従って入力し、利用可能な自転車のポート番号を押すとロックが解除され、乗ることが出来るようになります。

    ・ロック解除から30分以内にどこかのステーションの空きポートに返却すれば、追加代金はかかりません。(それを繰り返せば最初の1.7ユーロで24時間利用できます。)30分を過ぎると少しずつ使用料が加算されます。
     
     資料によると2,000弱のステーションがあるらしいので、ステーションを見つけるのはそう難しくはありません。ただ、パリ市内の道路がすべて頭に入っているわけではないので、1つ道を間違えてしまうととんでもない場所に行ってしまい、戻らなくてはいけないハメに陥ることもあります。私も初めての体験ですので、時計を見ながら、最初の20分走って、残りの10分をステーション探しに使いました。パリでは自転車は必ず車道か、自転車道路を走らなければなりません。大きな道路では、バスレーンを走るように指定されていることもあります。ちなみに当日が日曜日で、市内バスの数が少なかったことは幸運だったと思います。
     
     オステルリッツ駅を出発し、20分ごとに自転車を乗り換え、3回の乗り継ぎでチュルリー公園前のリヴォリ通りのステーションに着きました。
     
     パリの第1日曜日は、殆どの大きな美術館が入場無料になります。凱旋門賞は毎年10月第1日曜日に開催されますので、当日は美術館も無料ということになります。レース当日の午前中は美術館にて絵画鑑賞、というルートがよろしいかと思います。
     
     私はかねてから訪れたかった、オランジュリー美術館に参りました。これまで何度もパリには来ており、その度にここを訪れようと試みたのですが、ここはかなり長い間改修工事を行っていたために、行けませんでした。今回やっと訪問がかない、クロードモネの睡蓮の間をはじめ、印象派の絵画に心が癒されました。あと1日滞在を延長できたなら、サン・ラザールから列車に乗り、ジヴェルニーで、生きたモネの庭を訪れたかったのですが…。
     
    写真左…オステルリッツ駅構内のVelibステーション
    写真中…念願のオランジュリー美術館正面入口
    写真右…その中で印象に残ったルノワールの絵画
          (睡蓮は撮影禁止でした!)

  • いざロンシャンヘ!

     睡蓮に癒されていたらお昼をまわったので、そろそろロンシャンに向かいます。先ほど自転車を返したリヴォリ通りのステーションまで歩き、と、その時突然海外仕様のWiFiルータが故障し、動かなくなってしまいました。(結局その時点での通信量がオーバーフローしただけのことだったのですが。)それが直るのを待っている余裕はありません。仕方がないので、頭に入っているおおよそのパリの地図(早い話がカン。)をもとに、自転車を走らせました。こういうときのカンは恐ろしいくらいに冴えます。一度入ったら出られないという噂のエトワール広場のロータリーを避け、裏道をうまく使い、15分でポルトマイヨーに着きました。ここからはロンシャン大通りを一直線に行けば競馬場に着きます。あと15分あるので大丈夫だろう、と思って、Velibの更新をせず、大通りに自転車を進めてしまいました。この時点での判断は間違っていなかったと思います。事実、競馬場からセーヌ川を渡った先のシュレーヌのステーションまで、13分で到着したのです。
     
     しかし… なんとそのステーションに返却ポートの空きが全くなかったのです。これには目を疑い、一瞬うろたえました。あとで冷静に考えれば、パリ市があれだけ宣伝をしているVelibというシステムを、付近の住民の皆さんが使わない道理がありません。この日だけで何万人という人々がここロンシャンに集まってくることを考えると、それはある意味当然の結果だったのかもしれません。

     しかし、今更ポルトマイヨーに引き返す時間はありません。近くの公園に放置してしまえば、あとでいくらの請求を受けるかわかったものではありません。と、辺りを一周して最初のステーションの前に戻ってくると、おそらくシュレーヌの住民の方だと思うのですが、ご一家で買い物に出かけるために、Velibを使おうとしているではありませんか。本当に「地獄に仏」の心境で、若いマダムに何度もMerci beaucoupを繰り返したのは言うまでもありません。
     
     無事自転車を返し、セーヌを渡りながらサンドウィッチをかじり、ロンシャンに向かっていました。競馬場まであと少しというところに小さな公園があり、私はその公園の中を横切って歩いていると、ちょうど競馬場に行くという初老の紳士と一緒になりました。彼が私に話しかけます。「ロンシャンにいくのか?」「そうです。オルフェーヴルを応援しに。」「今日は場内に入るのに8ユーロ必要だ。でも私は招待券を2枚持っている。それを4ユーロで君に譲るがどうだね?」「ありがとうムッシュー」私はポケットの2ユーロ硬貨を2枚彼に差し出し、招待状を受け取りました。おそらくフランスギャロ(フランスのJRAのような組織)が地元住民向けに配っている招待状か、もしくは彼自身がフランスギャロの関係者かどちらかなのでしょう。確かめるすべも、それ以上の語学力もなく、彼と並んでロンシャンのゲートを通り、そこで彼と別れました。
     
     今朝起き掛けにホテルの部屋で、競馬新聞を見ながら予想を立てた通りに、馬券を買いに建物の中に入りました。ただ予定外だったのは、最低ベットが2ユーロに設定されていたこと。いつもは0.5ユーロから購入できるTierce Ordre(日本風に言えば三連単)をTrio(三連複)に変更するなどして、何度も紙に書き直し、100ユーロ札と一緒に窓口に出します。書いてある通りに発券してくれればいいものを、窓口のムッシュは何度も打ち間違いをして、発券されるたびに「ここが違うから直してください。」といい続け、何とか希望の馬券を発行してもらいました。
     
     そんなことをしていると、凱旋門賞の前のレースの発走時刻になりました。6年前と同じように、ターフに沿った柵の一番前、決勝線すぐ横の位置をキープしました。この時刻から場所を確保しないと、周りは背の高い欧州人ばかり。何を見に来たかわかったものではありません。前のレースがつつがなく終わり、係員が芝の手入れを始めました。刻々とお客さんの数が増えていきます。発走直前になると、最終オッズがターフビジョンに映し出されました。前日までの1番人気は前々走までは無敗のCamelotという馬でしたが、日本人が大勢購入したせいでしょう(自分も人のことをとやかく言えるものではありませんが…。)、オルフェーヴルが4.4倍で1番人気になっていました。さあスタートです!
     
     結果は日本でもテレビ中継があったと聞いていますので、皆さんご存知のとおりです。世界最高峰の競馬はそんなに甘くはないよ、ということなのでしょうか。また同時に、旅の神様がいらっしゃるのであれば、私に、「もう一度、この時期にパリにいらっしゃい。」とどこかで囁いているのかもしれないと思ったのでありました。
     
     出走を終えた馬たちがターフをあとにすると、私も柵からそっと離れました。
     
    写真左…ロンシャン競馬場メインエントランス
    写真中…発走前に芝の手入れをする係員
    写真右…最終オッズが映し出されたターフビジョン
          (写真サイズが小さいため、拡大しても見えません。すみません…。)

  • ミラボー橋の下をセーヌが流れる…

     ロンシャンを後にする前に、中庭にある馬券払戻所に立ち寄り、払戻を受けました。元手の100ユーロは195ユーロになって戻ってきましたので、この旅費を賄うことは出来ませんでしたが、まあ良しとしましょう。
     
     シュレーヌまで戻ってVelibをピックアップしてもよかったのですが、ちょうどメトロ9号線の終点、Pont de Sevresまで行く無料バスがあったので、それに乗ってパリ方面へ出ました。ここは昨晩泊まったホテルの最寄駅から2駅先の駅です。ということはまだパリ市内ではありませんが、大通りを少し歩くと比較的大きなVelibのステーションが見えたので、早速借りる手続をします。日曜日の夕方ですので、歩道には買い物客がたくさん見えます。私は勿論車道の右側を、自動車に追い越されながら市内に向けて走らせます。St.Cloudの門から市内に入り、セーヌ川とぶつかると、川沿いの道を走ります。およそ借りてから25分で、ミラボー橋の袂のステーションに着きました。
     
     アポリネールの詩の一節に読まれたことで世界中の人が知っている橋ですが、見た目は普通の橋です。市心のアレクサンドルⅢ世橋のような装飾もなく、ポンヌフのような特徴もありません。でも私は、遠くにエッフェル塔を望むこの橋を見るのがとても好きで、機会があれば必ず来て、ここからセーヌを眺めます。
     
    写真左…ミラボー橋からエッフェル塔を望む
    写真中…橋の欄干とアポリネールの詩碑
    写真右…詩碑を拡大したもの

  • クレープとシードルで一人残念会!

     ミラボーでの休憩の後、歩いて橋を渡るとそこはJavelという地区で、住宅街とオフィス街が混在しているようなところです。メトロの駅もRERの駅もありますが、ここはまたVelibに乗って、Montparnasseの駅を目指します。このあたりの地区では、メトロが高いところを走っていますので、ちょうどメトロの下を自転車で走りぬける形になります。時折夕市にぶつかると、自転車道路にまではみ出して露店が出ていたりするのもまた一興です。
     
     さすがに少しずつ暗くなってきた頃、Montparnesse駅前のVelibステーションに自転車を返却し、目的のお店があるモンパルナス通りを探します。ここで通りの名前をカタカナで書いたのには少し理由があります。何年か前、やはりクレープを食べようと、モンパルナス通りを探しながら歩き回ったことがあります。お店の住所と地図を見比べ、行ったり来たりを繰り返しながら探しましたが見つかりません。(ちなみにインターネットなど普及していない時代の話です。)結局、Boulevard MontparnasseRue du Montparnasseとがあり、お店はRue duにあったのですが、一生懸命Boulevardの方を探していたことが原因でした…

     そんなことを思い出しながら、Rue du Montparnasseに向かいます。メトロ6号線のEdger Quinetの駅が最寄です。お店はすぐ見つかりました。Creperie de Josselin。少し前までPetit Josselinという姉妹店とあわせて2店あったのですが、今はJosselinの方だけで営業しているようです。中に入ると店内はほぼ満席。入口近くの2人席に案内されました。そば粉のクレープ、サラザンにおかずになるような具を入れたものをガレットといいます。今回はお店の名前がついたJosselinというハム、チーズ、マッシュルームが入ったものを注文。こちらは黒く焼き色が付くまで焼き上げます。食後には甘いクレープ、今回はレモンを絞っただけのものをもらい、テーブルの粉砂糖を振りかけて食べます。これらクレープに合わせる飲み物は、ワインでもビールでもなく、シードル(リンゴの発泡酒)です。素焼きの専用容器に入れて出してくれます。これらで一人オルフェーヴルの残念会を催したことは言うまでもありません…
     
    Creperie de Josselin
    67 Rue du Montparnasse 75014 Paris
    12:00~23:00  月休

     
    写真左…お店の外観
    写真中…厨房を覗かせていただきました。
    写真右…ガレットとシードル

  • Intercite de Nuit #4053に振り回されたという話し

     シードルでほろ酔い状態になって、オステルリッツ駅に戻りました。コインロッカーからスーツケースを取り出し、列車の入線を待ちます。やがて放送と共に今夜の宿となる列車が入線してきました。ホームの先端にてユーレイルパスと指定券のチェックを受け、指定されたT4寝台の上段におさまります。そして何事もなく定刻に、列車はオステルリッツを離れました。
     
     この後の「悲劇」の内容については、旅行記「その2」に譲るとして、ここでは旅行の計画段階の話しを書いておきたいと思います。
     
     今やフランスでは、TGVという世界に誇る高速列車が、全国をくまなく走っています。そのTGV網が拡大すればするほど、夜行列車の活躍する場が少なくなっていくのは、日本もフランスも同様のようです。ちなみに日本では、東京から西に向かうブルートレインはすべてなくなってしまい、その愛称の一部が、新幹線のそれに引き継がれています。という現状がフランスでもあるのかどうか、私がこの旅において、パリ発バスク地方行きの夜行列車の利用を考えた時、その列車Intercite de Nuit(元はCorail Luneaという名前でした。)#4053は、毎日運行する列車ではなくなっていました。数ヶ月前から旅程を立てたい自分としては、10月7日の日曜日の夜に、その列車が運行するのかどうかがポイントになっていました。
     
     7月中にSNCFのウェブサイトを確認しても、当日は運転しないことになっていました。何回かチェックをするも、10月7日のIrun行きの列車は出てこなかったのです。仕方がないので一度はこの列車の利用を諦め、パリ発最終のTGVでBordeauxまで行きそこで1泊、翌日の1番列車で目的地Saint Jean de Luzに行く、というスケジュールを立てておりました。
     
     それが9月になって、再度ウェブをチェックすると、なんと10月7日は運転日になっているではありませんか。今年の10月は週末を中心に運転することにしたようです。そこで、おそらく近い将来廃止の憂き目に遭うであろうこの夜行列車に乗ることにしてスケジュールを立て直すことにしたのです。もしかしたら来年はないかもしれない、そう思うと今のうちに乗っておこうと思ったのです。早期割引で予約した、ボルドーの駅前ホテル(払戻不可)を捨ててでも…
     
     結果的にいうと、この選択がこれから起こるすべての事象の始まりだったのですが、当然このときは、そんなことを思いもしませんでした。
     
     
    写真左…Intercite de Nuit #4053の発車案内
    写真右…その車両
     

    <フランス編 その2>

    http://stworld.jp/earth_info/FR/diary/508a0808112ea4.35693988/

    へ続きます。