ああ!幻の Rhune と Saint Jean de Luz <フランス編 その2> | フランスの旅行記

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ああ!幻の Rhune と Saint Jean de Luz <フランス編 その2>

エリア
フランス
/フランス
テーマ
鉄道旅行
時期
2012/10/7~1012/10/8
投稿日
2012/10/26
更新日
2017/10/6
投稿者
小圷 孝幸

<フランス編 その1>

http://stworld.jp/earth_info/FR/diary/5088952a1172a2.40339102/

から続きます。


 パリを定刻に発車したIntercite de Nuit #4053 Irun行きは、最初の停車駅Les Aubrais Orleansに到着し、何事もなかったかのように発車しました。明日早いので、そろそろ寝ようと自分の寝台にもぐりこみます。
 
 しばらくすると天井に何かが当たる音がしました。もしかしたら天井ではなく車両の側面だったかもしれません。そのため列車は、ゆっくりと駅でないところで停車しました。
 
「もしかしたら動物か何かがぶつかったか?」とは思いましたが、そんなに深刻なものではないと思っていました。「少し遅れるかな。」と思いながら眠りに落ちたのです。このときは何の心配もせずに。

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  • 目覚めるとそこは…

     翌朝は6時前に目覚めました。列車はいかにもフランスの田舎、というような風景のところを坦々と走っています。「ここはどこだろう。定刻ならもうしばらくするとタルブの駅だけど…。」しかしなかなかタルブに着きません。窓から小さな駅の名前を読み取ろうとしますが、それがどこにあるのかわからないので判断できません。
     
     目覚めから2時間近くどこにも止まらずに走り続け、「これはおかしい。」と思ったとき、やっと大きな駅の構内に入っていきます。列車がホームに差し掛かり、目をこらして駅名を読み取ります。
     

    「Toulouse Matabiau」


     

     えっ?トゥールーズ?一瞬自分の頭が働かなくなりました。トゥールーズってどこにあったっけ?自分のショルダーバッグから、ユーレイルパスと一緒にもらった地図を取り出し開きます。ええと6:07着のTarbeがここだから…、、、あったToulouse。定刻なら4時過ぎに通過している駅でした。今の時刻が8時45分だから、4時間半の遅延?ここまで考えて、今日のスケジュールを最初から建て直さねばならないことに気がつきました。 


     

     トゥールーズ(本来なら停車駅ではない。)には少し停まるようです。まあ定期列車との兼ね合いもあるし、TGVも先に通さなければならないからなぁ。そこに女性車掌の放送が入ります。「遅延のお詫びに朝食を配りますので、各車両のデッキまでお越し下さい。」よし、何か口にしてからスケジュールし直しだ、と上段ベッドから降り、朝食ボックスを取りに行きました。


     

     中身はまさに非常食詰め合わせ。ビスケットとかフルーツのコンポートとか、その中で缶の底のプルタブを上げると発熱材が作動し、熱いインスタントコーヒーが飲めるという、フランスにしては画期的なものまで入っていました。


     

    写真左…Toulouseの駅で積み込まれた朝食ボックス

    写真右…その中身。まるで非常食の詰め合わせ。

  • Toulouse停車中にスケジュールの立て直し

     ある意味幸運でした。スケジュールの立て直しにはウェブの力が必要ですので、大きな駅に止まっていてくれたほうが、WiFiの圏内をキープできます。
     
     このままの遅れで行けば、Saint Jean de Luz到着は13時過ぎになる、自転車を借りて10km先の登山列車の駅までサイクリングすると、遅くとも14時半から15時には着くだろう、スペイン国境のRhune山頂駅を登山列車で往復すると、ホームページには最大で2時間必要と書いてある、17時に麓に戻ってくると、Saint Jean de Luzには18時には着くことが出来るだろう、Hendayeからバスク鉄道の最終に乗ることが出来れば、San Sebastian乗り換えでも、何とかBilbaoにはたどりつくことができる…。
     
     この時まで、Rhuneまでは行けるものと信じて疑いませんでした。それにしてもいつまでここに停車しているのか、少しでも遅れを取り戻して欲しいのだが…。
     
     1時間が過ぎてもトゥールーズを発車する気配がありません。先ほどの車掌が「あと15分で発車します。」と放送で伝えるも、15分過ぎても30分過ぎても一向に発車しません。結局トゥールーズには2時間あまり停車し、10時45分頃、やっと動き出しました。6時間半の遅延…。この時点でRhune山の往復を完全に諦めることになりました。
     
     Tarbeを発車したのは正午過ぎ、次のLourdesでも1時間停車し、あろうことか2回目の食事ボックスが配られました。今度は「本当に今日中にビルバオに着けるのか?」ということが頭をよぎり、再度スマホを操作し始めます。
     
    ~このような時、スペインでは列車よりバスの方が速いはずだ、フレンチバスクの町からビルバオまでの長距離バスはないか?~

     
     すると、BayonneからBiarittz、Saint Jean de Luz、San Sebastianを経由するBilbao行きの長距離バスがあることがわかり、Bayonneの出発が18:30、Bilbao着が21:40ということがわかりました。どんなに遅れても、Bayonneに18時に着ければ、バスターミナルを探す時間を入れても、ビルバオにはたどり着ける、最悪でもその行程で行く覚悟を決めました。
     
    写真左…本日2回目のお詫びの昼食。フランス語でRepas(食事)と書いてある。
    写真右…その中身。先ほどよりは品数も多いが…。

  • そしてフレンチバスクの都市バイヨンヌへ!

     Lourdesを発車した時点で、ついに遅延は7時間を越えました。こうなったら例の長距離バスに乗るしかないと心を決めます。それではどこの街からバスに乗ろうか?
     
     バスが立ち寄る町の中で、既に行ったことがあり、多少なりとも土地勘があるのは、バイヨンヌしかありません。でも、バイヨンヌの鉄道駅は、街の外れにあり、中心部に位置するバスターミナルまで、スーツケースを引きずって歩かなければなりません。しかし、それ以外の街は、鉄道駅がどこで、バスターミナルがどこにあるのかもわかりません。ビルバオ到達の最終手段を前に、無謀な冒険をするわけにはいきません。
     

    バイヨンヌで降りて、生ハム食べよう!


     

     最終的に下した決断はこうでした。バイヨンヌは言わずと知れた生ハムとチョコレートの街。以前にここを訪れた時も、生ハムを製造販売しているお店を訪ね、偶然居合わせた市内の小学生の社会科見学(生ハムの製造工程を見学する。)に同行させていただいたことがあります。市心からは歩ける距離なので、再訪し、今晩の食料(たぶんビルバオ到着は深夜になる…。)に買い求めよう、ここまで決めて、またベッドに横になりました。


     

     LourdesからBayonneまでは、短絡線があるにもかかわらず、8時間近く遅れているにもかかわらず、律儀にも当初の予定通りDax経由の路線をたどります。Daxでは所定の20分停車で済みましたので、そのままおよそ8時間遅延のまま、Bayonneに到着しました。時刻は16:00過ぎ。駅は本当に街外れにあるらしく、コインロッカーの設備さえありません。スーツケースを引いたまま、駅前の道を市心の方に歩いて行きます。大きな川を渡ると旧市街、中心部です。しばらく歩くと観光案内所がありました。案内所に入り係のマダムに聞きます。「ビルバオ行きのバスはどこから出ますか?」「この建物の後方、3番目のバス停からよ。」「ここにコインロッカーはありませんか?」「申し訳ないけど、ないのよ。」


     

     やっとビルバオ行きの目処が立ったので、生ハムのお店を探します。案内所でもらった地図にそのお店の位置が書いてありました。旧市街は石畳。スーツケースを転がすにはとても大変です。およそ15分歩いて、そのお店を見つけました。さすがに夕方なので、小学生の姿はありませんでしたが。


     

     スライスしたハムを少し買い求め、お店の前の広場から、市内循環無料バスに乗って、案内所に戻りました。このバスは他の街のバスと異なり、鉄道駅前を経由しません。フランスもここまで来るとスペインの影響を少なからず受けているようで、公共交通機関の中心はバスなのです。


     

     少しの余裕を持って、ついにバイヨンヌ発ビルバオ行きのバスに乗りました。これで3時間後にはビルバオに着きます。


     

    Pierre Ibaialde

    41 rue des Cordeliers 64100 Bayonne

    09:00~18:00 日祝休


     

    写真左…Jambon de bayonneのお店 Pierre Ibaialde

    写真右…Bilbaoまで運んでくれたPESA社のバス


     

    <スペイン編 その1>

    http://stworld.jp/earth_info/ES/diary/508df339a68b94.70837300/

    に続きます