『パプアニューギニア・ダイビング旅行記』 | パプアニューギニアの旅行記

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『パプアニューギニア・ダイビング旅行記』

エリア
パプアニューギニア
/パプアニューギニア
テーマ
ダイビング
時期
投稿日
2011/2/2
更新日
2017/10/6
投稿者
須江ダイビングセンター 坂口様

  • 成田集合&出発

    画像1-1 成田 ニューギニア航空カウンター前
    画像1-2 機内食
    画像1-3 パプアニューギニアのビール 
    成田国際空港第2ターミナル3Fのニューギニア航空(以降PX)カウンター
    正直あまり馴染みのない国への渡航、週2便とはいえきっと機内はガラガラと思いきや、
    意外にもチェックインカウンターは混みあっていました。
    「へぇ~結構旅行者多いんや。」と列の人々を眺めてみると、我々のようにダイビング
    器材バッグを引きずっている姿はほとんど見えません。
    「みんな観光?そんなにパプアニューギニアって人気だったの?」、後で聞くところによると、
    多くがオーストラリア・ケアンズやフィジーへの乗り継ぎ客とのこと。
    なるほど、そういう利用もあるのか。
    さて、このところ国際便の機体預け荷物は個数・中身もさることながら重量制限がとっても
    厳しくシビア。器材一式でかるく10kgオーバーとなってしまうダイビング旅行者にとって、
    多くの航空会社が指定する「23kg以内」や「20kg以内」の壁は非常にツライ制限である。
    PXも例外なく重量制限は存在するが、PXにはダイバーに優しい「ダイビング器材無料受託
    サービス」があるので安心。重量が20kgを超えるときはあらかじめ別に器材用バッグを
    準備して計2個に分割すれば無料だ。
    離陸後まもなく機内食サービスを受ける。「ビーフorシーフード」 十分に満足な量とおいし
    い味付けだ。気になるアルコールはパプアニューギニア(以降PNG)のビール2種と
    オーストラリアワインを赤・白。もちろん無料。
    ビールは軽めあっさりの口当たりで美味しく、いわゆる暑い国のビールという感じ。
    入国カードが配られる。記入例はPXのサイトにあるので心配な方はチェックしておくと安心。

  • 到着

    画像2-1 ポートモレスビー空港着
    画像2-2 ロロアタ・リゾート専用バス
    画像2-3 ロロアタ・リゾート着
    日本から南へ6時間半。赤道を越えいよいよ到着。
    入国審査場までは容易(ニューギニア航空のサイトに空港内地図が)にたどり着ける。
    PNG入国にはビザが必要だが、日本で事前準備する以外に入国審査時に取得することもできる。
    現地取得の私達はいくつかあるカウンターの1つ、「VISA ON ARRIVAL」の看板カウンターへ。
    ビザ代金100キナ(円→現地通貨キナ 日本で両替不可)が必要だが、ドル払いが可能であった。 
    為替レートによるが、この日の私達は45ドルを支払う。(40から46ドルぐらいか?)
    (補足:キナを求められたら、パスポートを預けたまま両替所に向かい、両替後キナで支払う)
    預け荷物を受け取り、税関審査を通過。ここで現地PNGジャパンスタッフが出迎えてくれた。
    案内されたロロアタ・リゾート専用バスに乗り込む。ここからリゾートへ向かうボートがある桟橋へ
    移動するわけだ。20分後、桟橋に到着。ボートに乗り換える。
    空港でも桟橋でも大きな荷物はスタッフが運び込んでくれるので楽チン。
    天候はどうだろう。「熱帯雨林気候」のじめじめ感を想像していたが、朝もまだ早いせいなのか
    意外と爽やか、ムシムシした感じはない。
    ボートが波の無い穏やかな水面を走ること10分、ついにロロアタ・リゾートに到着した。
    リゾート内のレストランに通され朝食をとる。(食事全般については後述)この間に荷物は
    各部屋に運んでくれていたのが嬉しい。
    目的のダイビングは午後2時から1ダイブの予定。午前中は疲れを癒し一眠り・・・もいいが、
    海を目の前にしてテンションが上がりそわそわ。そうだ、こんなときは「無制限ビーチダイブ」だ! 
    リゾートの桟橋周辺で1ダイブ、午後からのボートダイブへの準備運動だ。
    (各ダイブポイントの感想は後述)

  • ボート全景

    画像3-1 ダイビングボート
    画像3-2 桟橋とボート
    画像3-3 船内
    タンクはアルミ製が2種類(11ℓと9ℓか?)、ウエイトはポンド単位だが2ポンド=0.9キロ(約1キロ)
    と考え適量を用意。
    ボートは全長10mとさほど大きくはないが、屋根付きで陽射し&スコールをしのげる。
    1隻あたりゲスト10名程度が快適か。(計2隻)
    ボート後部の2ヶ所からジャイアントエントリーおよびエキジットする。ラダーも利用しやすく、
    全体的に使い勝手は悪くない。
    ダイビングスケジュールは午前8時出港の午前中2ダイブしリゾートへ帰港。
    3ダイブ目は午後2時出港。
    1ダイブ目と2ダイブ目の間はボート上での1時間ほどの休憩だった。
    ダイブサイトは穏やかで波もないため、休憩中の船酔いに大きな心配もいらないと思われる。

  • ブリーフィング

    画像4-1 ブリーフィング
    画像4-2 ブリーフィング
    画像4-3 おもてなし
    主なダイブポイントはリゾート桟橋から20分足らず。ポイントとポイントの距離も近い。
    ポイントには係留ブイが設置されていて、いわゆるアンカーリングスタイル。いくつかのボミー
    (隠れ根)などを回っていく。
    ガイドは現在2名のパプアニューギニア人。英語でのブリーフィングだが、マップと聞き取り易い
    ゆっくりとした口調で話してくれるので、チンプンカンプンということにはならない。
    よく気が利き優しいガイドで信頼できた。
    ボートでの休憩中は大きく厚手のビーチタオルを1人1枚貸してくれ、美味しいクッキーやフルーツ、
    ジュースやコーヒーでもてなしてくれた。

  • 水中

    画像5-1 エントリー
    画像5-2/3 一面のサンゴ
     
    水温はどのポイントも31℃~30℃(4月)もある。3mmスーツも要らないぐらいの温かさだ。
    とはいえ、表層は浮遊物も多く、刺胞生物類が漂っていることもあるので、肌を守る最低限の
    装備は必要だ。
    器材セッティングはスタッフにお任せ。器材ケースに預けておけば管理もしてくれ、毎日ボート
    から持ち帰る必要も無い。
    季節やそれまでの雨量、風向きによるのかも知れないが、ほとんどのポイントの傾向として
    水面下5mは視界が良いとは言えない。とってもグリーン。
    イメージするいわゆる「南国の海」とはかけ離れた色をしている。これには戸惑いを感じた。
    しかし、10mも潜ると透明度は一変。ぐんと青みを帯びた水と一面に広がるカラフルなハード&
    ソフトコーラルが目に飛び込んでくる。
    がっかりさせておいてからのサプライズ。敗色ムードからの大逆転。冷たい態度から優しい笑顔。
    低いレベルから一気に急上昇するテンションが感動を増幅させる。無防備だ。
    国内で得られたロロアタの海の情報のほとんどが「マクロ向き」、「マクロ派なら」となっていた。
    だから、「マクロが売り」=「ワイドはない」・・・「透明度がいまいち」とか「暗い」と勝手に解釈して
    いた。それなら重たいワイドレンズは置いていこうかとも思っていた。それがどうだ。
    日本ではありえない大きさのウミウチワ類があちこちに当たり前のように群生している。
    大きく成長しているテーブル状のサンゴ、枝サンゴ類。ソフトコーラルも見事だ。
    眼下には白い砂地が広がり、海の青さとのコントラストもいい感じ。
    ユメウメイロなどのタカサゴ類が群れをなして泳ぎさる。壁にはパープルビューティーなどの
    ハナゴイやハナダイが乱舞。黄色が映えるアヤコショウダイの群れが右往左往。
    そして圧巻全長65mもの沈船ポイントまである。「ワイドもOK!」というより、むしろ「ワイド向け」
    じゃないか。とってもいい意味で期待はずれで驚きの連続。
    初めて潜る海、360℃新鮮な世界で飽きることはない。見所の多くは水深15mから20m辺り、
    少ないストレスで楽しめた。

  • ダイビングポイント1

    4/11① ロロアタ・ビーチ(LOLOATA ISLAND JETTY)
    マンジュウイシモチ、イースタンクラウン・アネモネフィッシュ、アカククリ若魚、エポウレット・シャーク
    水深は浅く透明度は高くないが多くの生物をチェックできそう。1度は潜っておきたい。
    4/11② クエールズ・リーフ(QUAYLES REEF)
    ウミウチワ類が群生。ピグミーシーホースが期待できる。砂地にガーデンイールなども。
    4/12① 沈船・パシフィックガス(MV PACIFIC GAS)
    アドベンチャー気分が高まるスケールの大きい沈船。代表的ポイントの1つ。
    4/12② パンプキン・パッチ(PUMPKIN PATCH)
    アヤコショウダイやパープルビューティーの群れなど魚影濃し。
    斜面にアケボノハゼ、砂地にネジリンボウなども。
    ソフトコーラル類がきれいで何ダイブしてもまだまだ楽しめそう。個人的に今回のトップ3。
    4/12③ ボールドウィンズ・ボミー(BALDWIN'S BOMMIE)
    ダイナミックなボミー周りをユメウメイロの群れが流れ続けた。壁にはハナダイ系も多く華やか。

  • ダイビングポイント2

    4/13① DINAH'S DELIGHT
    透明度最良。巨大なウミウチワ類が圧巻。イエローフィン・バラクーダやギンガメアジの群れ、
    ロウニン&カスミアジ。アヤコショウダイの群れなど魚影濃し。ボロカサゴやアケボノハゼも。
    今回のダイビング中で個人の感想としてベストポイント。
    4/13② スージーズ・ボミー(SUZIE'S BOMMIE)
    ナポレオン5匹、アヤコショウダイの群れ、ユメウメイロの大群、ハナダイ系の群れ、イナズマヤッコも。
    魚影濃し。まだまだ何か出てきそうなワクワク感たっぷり。個人的トップ2。
    4/13③ 沈船・ニューマリン(MV NEW MARINE)
    一番近いポイント。島陰内湾に沈船がある。クダゴンベ多数、ハナミノカサゴ多数。
    砂地にはハゼ系が期待できる。マクロ三昧ならここか。

  • リゾート1

    画像8-1 自然に囲まれたゲストルーム
    画像8-2 あちらこちらにワラビー
    画像8-3 小高い丘から眺める夕陽
    リゾート1件だけがある小さな島「ロロアタ・アイランド」 島内で出会う人々はリゾートのスタッフと
    ゲストのみ。みなフレンドリー、のんびりとした空間で気を使わなくていい。
    ワラビー達がピョンピョンと横切っていく。カンムリバトやいつもボーっとしている木登りカンガルーなど、
    初めて見る動物達が南国リゾートムードを高めてくれる。
    島の小高い丘に上がれば、ロロアタ島全体を一望でき、海を挟んで向こうには緑のPNG本島が
    広がっていた。そこはビール片手に夕陽を眺めるベストスポット。一度は登ってみるべき。

  • リゾート2

    画像9-1 ベッド
    画像9-1 トイレ
    画像9-3 天井のファン
    部屋はエアコン・テレビ・冷蔵庫は無く、お世辞にもデラックスとは言えないが、日中はほとんど海に
    出ているわけだし、天井のファンを回していれば夜も安眠できる。
    歩いて1分もかからないレセプションに行けば、飲み物もすぐ手にできる。
    ここでテレビは要らないだろう。過ごす仲間と波音、PNG・ビールがあれば自然と時間は流れていく。
    これから行かれる方へ。バスタオル以外のアメニティー・グッズはなく、必要なものを持参してください。
    季節によるでしょうが、心配だった「蚊」にはリゾート内で刺されることはほとんどありませんでした。
    ネット環境はオフィスのPCを借り、ダイアルアップ回線にて有料で使用できる程度。電話も同様です。

  • 食事

    画像10-1 テラスにて
    画像10-2 ビュッフェスタイル
    画像10-3 どれも美味しい料理
    食事は毎食リゾートで唯一のオープンテラスのレストランでいただく。
    朝食はパンと卵料理が基本。コーヒー・ジュースはもちろん、各種フルーツにシリアルも自由にいただける。
    ランチ・ディナーはテーブルに運ばれてきたときもあったが、基本はビュッフェ・スタイル。
    ライス・パスタ、牛肉・羊肉料理、魚料理、野菜料理、サラダ・フルーツなど種類は十分。ディナー後の
    アイスやケーキのデザートまである。
    とっても気になる味は正直にどれをとっても美味しい。異国の地、食事が合わないほど悲しいことはないが、
    ロロアタは毎日楽しい食事ができた。
    お土産にお薦めしたいのは「コーヒー」だ。リゾート内ではコーヒーマシーンから常に味も香りも深みのある
    美味しいコーヒーがいただけた。聞けば「PNGの特産」とのこと。帰国してから「もっと買っとけばよかった。」
    と思うくらいにやはり美味しい。

  • おみやげ

    画像11-1 木彫りのおみやげ
    画像11-2 貝細工のアクセサリー
    現地民族の風習がうかがい知れる木彫りの置物や人形もある。見ていてカッコイイ大きな盾(面?)が欲しく
    なってしまったのだが、持ち帰りの都合を考えやむなく断念したが実はちょっと後悔。
    話のネタ用ならペ○スケースがウケるかも。ストレートタイプ、反り返しタイプ、ネジれ反り返しなんて凄いのも。

  • 最終日の観光

    画像12-1 専用バスにて出発
    画像12-2 国会議事堂
    画像12-3 動植物園
    最終日、午後のフライトまでの時間はどう過ごそうか。リゾートでまったりするのもいい、それとも首都
    ポートモレスビー観光に出かけようか。我々は後者を選び、PNGジャパンのツアーに参加することにした。
    朝食後、チェックアウトを済ませロロアタを後にする。大きな荷物はPNGジャパンのスタッフに空港での集合まで
    預かっていただくので身軽だ。
    旅行中で初めて首都中心部に入ることになる。当たり前だが人々も車も多く、さすがに賑やかだ。
    道は日本と同じ左側通行で車の半分以上が日本の中古車。こんな離れた異国に見慣れた風景があり、
    ちょっと不思議な感じ。
    流暢な日本語を話すPNGジャパン・パプア人スタッフが同行してくれ、国会議事堂や動植物園を見学した。
    市内レストランでランチを済ませる頃には、空港集合にいい時刻となっていた。

  • ロロアタ・リゾート&ダイビングの感想

    「首都エリアの海」と聞かされると、「近くて便利そうだけどもうひとつなんじゃない?」と率直に思った。
    都会の騒々しさ、海の汚れ。なぜか私達はどこかで「離れれば離れるほどきれいですごい。」と思い込んでいる。
    たしかにロロアタ・リゾートは「首都」エリアだ。だから近くて移動時間が少ない。乗り継ぎしなくてその分安い!
    しかしロロアタから眺める海の向こうのPNG本土には、首都のビル群はどこにも見えない。
    もっと表現すれば2階建ての家々も見当たらないし、幹線道路もなけりゃ車の1台も見つけられない。
    ロロアタ、そこは「近くて便利で静かで綺麗な」リゾートだった。魅力あふれるダイブポイントがいくつもある。
    「また行きたい?」と聞かれたら、「そりゃぁまた行きたい!」と迷わず答えるだろう。
    あの飾り気のない居心地の良さでリラックスした時間をまた過ごしたいと思う。
    もう一度潜りたいあのダイブポイント、まだ行ってない多くのポイント。
    別の時期ならまた違う海を見せてくれるかもしれない。あぁ、今からでも行きたくなってきた。

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