「えっ、コタキナバル?それってどこにあるの??」
…そうなのです。ボルネオ島の州都コタキナバルは、かなりマイナーな場所。マレーシアのガイドブックのページをめくってみても、ほんの数ページでオシマイという所です。
そんなコタキナバルを旅行先に決めたのは、テレビ番組で見たサルがきっかけでした。
ボルネオ島のジャングルにのみ生息するという“テングザル”は、まるで人間のような長い鼻が特徴。じっと見ていると、顔の回りをフサフサとふちどる毛はなんだか角刈りのようだし、でっぷりとした太鼓腹はどう見てもビールっ腹!見れば見るほど、おじさんです。
こんなおかしなサル、見たことない!!
というわけで、彼らに会うべくコタキナバルへ行ってきました。
スタッフおすすめ!お得ツアー
成田発
お値段重視!バリ島ご旅行はマレーシア航空ご利用がお得!●朝食付●クアラルンプール空港周辺ホテル1泊+タンブリンガン通りに面した便利な4つ星スイスベルリゾートに2泊≪マレーシア航空利用≫
日数:5日間
旅行代金:97,800円~224,800円ツアーはこちら
実は、ボルネオ島は、世界で3番目に大きな島。
うっそうとしたジャングルに覆われた動物の楽園でありながら、素晴らしいリゾート地でもあると聞いて、滞在場所はコタキナバル屈指のリゾートに決めました。
実は、このホテル、リピーターになる方も多いのだそうです。
ホテルがあるのは、中心地から車で40分ほどの、街の喧騒から見事に隔絶されたエリア。行きかう車も少なくなり、ぐっと緑が濃くなって来たころ、「シャングリ・ラ・ラサリア リゾート」が現れます。
開放的な南国風のロビーでチェックインを済ませると、ドラの音が鳴り響きWelcome to (ようこそシャングリラへ!)」の声が。これからの滞在に、思わず胸が高鳴ります。
写真:ウェルカムフルーツ
部屋はオーシャンウィング棟の1F。明るいアースカラーを基調にした広々した間取りに、高さのあるベッド、”ロクシタン”のアメニティ…と、心躍るものはたくさんあるのですが、感動はなんといっても広~いバルコニー!大人2人がゆったりと入れるジャグジーとソファ、さらにテーブルとイスが配されています。(ここでの読書も最高のひと時でした)
バルコニーの扉を抜けてプールの方へと向かえば、見えてくるのは手付かずのジャングルに縁取られた、真っ青な水平線。浅瀬に足をひたし波音に耳を傾けていると、地球の素晴らしさが身近に感じられ、不思議な気持ちになりました。
なかでも圧巻は、空が燃えるように色づく夕日の時間。
仲良く手をとりながらビーチを歩く、ヨーロッパ人の老夫婦の姿がとても印象的でした。
写真左:部屋
写真中:プール
写真右:サンセット
ところで、旅行の楽しみのひとつが食事です。
ホテルで贅沢するのもいいですが、街に行けば数百円で、おいしいマレーシア料理が楽しめます。特に気に入ったのは、地元の方に人気という「オールドタウン・ホワイトコーヒー」(ワン・ボルネオ内にあります)の名物”カヤ&バター トースト”。サクッと軽いトースト(5mmほどの薄さ)の間に、カヤ(ココナッツ)ジャムとバターがたっぷりサンドされていて、フワッと香るココナッツが美味。しかも、60円程度と格安です!ちなみに、お店の名前にもなっているホワイトコーヒーは、コーヒーに練乳が入っているような味で、ちょっと甘めでした。
その他、魚介類もリーズナブルで、特に海老はジャンボサイズ。ちなみに、お肉では鶏が人気のようすでした。名物のチキンライスはもちろんですが、「ケンタッキーフライドチキン」が多いのにもびっくり!しかも、ほとんどが24時間営業でした。(夜中にはちょっとヘビーな気もしますが・・・)
写真 左:朝食はオーシャンウィング宿泊者専用の「COAST」で。朝からシャンパン!なんて夢のよう
写真 中央:カレー+ココナッツが美味な麺料理、カレーラクサ。マイルドな味わいです
写真 右:ホテルのチキンライスは、盛り付けも素敵。鶏の味が濃くておいしい
コタキナバルの街歩きは、とっても簡単。
半日もあれば、グルッとひと回りできてしまうほどの大きさなので、すぐに地元民感覚で散策できるようになります。
新しい大型ショッピングモールもできていますが、いつも賑わっているのは”センターポイント”というショッピングモール。地下にはスーパーもあり、1000円以下のマッサージ店も充実しているので、観光客にも便利です。
それから、庶民の台所であるマーケットも必見。所狭しと積み上げられたトロピカルフルーツや野菜は、見ているだけでも楽しいもの。ショウガやニンニクなどのスパイスもたくさん並んでいました。
夕方になると、海沿いにサテや焼き魚の屋台がずらりと並び、おいしそうな香りがただよってきます。
写真左:マーケット
写真中:サテ
写真右:焼き魚
そして、待ちにまった、テングザルツアー!
ホテルからゴトゴトと2時間ほど車に揺られ、クルーズの場所となるガラマ川に到着したのは夕方5時前でした。
実は、テングザルは夜行性。夕方になると、マングローブの葉を食べに、この川辺にやってくるのだそうです。
約10人ほどが船に乗り、いよいよ出発。うっそうとマングローブが茂る川に滑り出します。その様子は、まさにリアル”ジャングルクルーズ”!こんな経験はなかなかできません。
”ホラ!あそこにいるよ”とガイドさんに言われて双眼鏡でのぞくと・・・、
いたっ!木の上で葉っぱを食べているテングザルが見えました。
まるで椅子にでも座るように枝に背をもたせ、白くて長い尻尾をたらしているテングザルは何だか優雅。その仕草も人間っぽくて、ますます親近感がわいてしまいました。
本当のジャングルの中で、本物のテングザルに出会えるなんて、本当に感動です。
写真 左:この奥に、テングザルが暮らしているはず
写真 中央:いざ、出発!船は広くて快適。川なので、揺れる心配もありません
写真 右:テングザルのメスを発見!鼻が短く尖っているのが特徴です。残念ながら上手く撮れず…(涙)!
ボルネオ島には、テングザル以外にも色々な動物が生息しています。
その中で、もっとも有名なのがオランウータン。そこで、「シャングリ・ラ・ラサリア」で行っている、“オランウータンウォッチング”に参加しました。
実は、「ラサリア」は、すぐ後ろのジャングルが自然保護区になっていて、そこで親のいないオランウータンの子供を保護しているのだそうです。
“オランウータンウォッチング”のタイミングは、1日2回の餌付けの時間。飼育係りのお兄さんが、ジャングルに向かって名前を叫ぶと、しばらくして、木がユサユサと揺れる音が聞こえてきました。
ひょっこり顔を出したのは、まだあどけない表情のオランウータンの子供。木の枝にぶら下がり、勢いをつけて、次の枝へと飛び移りながら、近づいてきます。
お目当ては、フルーツやジュースなのですが、人間には慣れているようで、怖がる気配はありません。むしろ、ちょっと面白がっているのか、じっとこちらを見たり、折れた枝を差し出してみたりといたずらな一面も。人間に一番近いといわれるオランウータンは、他のサルとはやはり違うような気がします。
この日、会えたのは3匹。5歳になったら森へ返すのだそうですが、立派な野生のオランウータンに戻ってくれることを祈ります!
写真:オランウータン
写真 左:オリエンテーションを受けたら、ジャングルへ
写真 中央:あどけない表情がかわいい!
写真 右:手を伸ばせば、フサフサの産毛にさわれそうなほど
もうひとつの見所は、標高4095.2mのキナバル山。東南アジア最高峰を誇る世界遺産です。
とはいえ、登るのは相当な覚悟と準備が必要なので、今回は、麓にあるキナバル公園を訪れるツアーに参加しました。
雲の遥か上にそびえるキナバル山を眺めるには、午前中がベスト!というガイドさんのアドバイスで、まずは見晴台へ。
真っ青な空をバックに黒く輝くその姿は、キリリと雄雄しく、見ているだけでパワーがみなぎってくるよう!まさに、ジャングルの山、という印象です。
写真:キナバル山
その後に訪れたのは、恐怖のキャノピーウォーク。
実はここ、キナバル山の中腹(1500m)に位置しているのですが、幅の細いつり橋を渡りながら、ジャングルの景観を楽しむというものなのです。
高いところが平気という人には、スリルがあって楽しいのですが、高所恐怖症の人は景色どころじゃないかもしれません!
そのほか、キナバル公園で食虫植物の”ウツボカズラ”やジンジャー、ランなど、ちょっと珍しい植物を鑑賞したり、かつて日本軍が発見したというポーリン温泉で足湯に浸かったり・・・と盛りだくさんの内容でした。
写真左:キャノピー
写真中:ウツボカズラ
写真右:ラン
お土産は、コタキナバルメイドのものを探しました。
名産品のパールは、かなり驚きの価格!ちょうど運良く40%オフのセールをしていたのですが、もしかしたら値引き交渉もできるかも!?形が不揃いなものが多いので、1粒のピアスがおすすめです。
それから、サバ州で採れる紅茶”サバ・ティー”は、ちょっとしたお土産にぴったり。ホテルやおみやげ屋さんにもありますが、スーパーで買えばかなり割安に購入できます。
そのほか、ジャングルの植物の花々から採った野性ハチミツや、殺菌効果が高いというなまこ(!?)の石鹸などを購入しました。なんと、なまこ石鹸は、傷に塗ってもいいそうで、現地の人も普段から使っているそうです。
写真左:パール
写真中:サバティー
写真右:なまこ
あっという間に過ぎ去った、コタキナバルでの7日間。
旅の思い出にと、空港でテングザルのポストカードを買い、飛行機に乗り込みました。
コタキナバルから日本へは、直行便でわずか6時間・・・。
つかの間の眠りから覚めると、夢のような楽園は消え、変わらぬ日常が待ち受けていました。
足早に闊歩する人の波に、まぶしいほどの光。ずっと当たり前だったはずの風景に、一瞬、戸惑いを覚えます。
自然やリゾートを楽しめる場所はたくさんありますが、コタキナバルには、他の場所にはない“本物”の魅力がありました。
来年も、きっとまたあの場所へ・・・。
テングザルのつぶらな瞳が、誘っているような気がしています。
写真:ポストカード