ついに念願のラオス旅行へ行ってきました!
町そのものが世界遺産に登録されているルアンパバーン。
私がこの町に興味を持ったのは、旅行会社に就職したばかりのときでした。
最初の新人研修で、各旅行方面の責任者からそれぞれのデスクについて説明を受けていたのですが、アジア担当の上司が、ほぼ毎年、すでに10回以上ルアンパバーンに訪れているという話を聞いたのがきっかけでした。旅行を売るという仕事に10年以上の長きに渡り携わってきた人が、一番好きだという国。今までラオスという国に全く関心も知識もなかった私にとって、どんな魅力がそこにはあるのか検討もつきませんでしたが、とにかく、「行ってみたい」と感じるようになりました。
そして、連れて行ってもらったのです。研修のとき話をしてくれた上司に。なんとも心強い助っ人とともに旅した5日間。言うまでもなく、最高の旅が待っていました。
今回宿泊したのは中心部から3㎞離れた場所にある、ルアンパバーン・ビュー・ホテル。
中心部へはホテルの無料シャトルで簡単にアクセスが可能で、時間も10分かかりません。もちろん中心部にある、あるいは歩いてアクセスできる好立地のホテルもありますが、このホテルの魅力は「高さ」にあります。世界遺産に登録されているルアンパバーンの町は、3階以上の建築物の建造が禁止されていまが、ルアンパバーン・ビュー・ホテルは小高い丘の上に建造されているため、部屋から世界遺産の町を見下ろすことができます。さらに、屋上には巨大なプールがあり、そこから見る360度のパノラマは圧巻でした!中心部から離れているので喧騒もなく、夜は静かに過ごせました。
部屋はあたたかみのある木製家具とファブリックを配しスタイリッシュにまとめられていて、広さ・アメニティの豊富さは申し分ありませんでした。洗面台と収納は2つずつ設置され、トイレも個室です。ただ、ベッドの壁の裏に、バスタブがむき出しになっているところが、日本人にはちょっと抵抗があるかも知れませんね。シャワーも扉はついていませんでした。。
部屋は4タイプあり、スーペリア→デラックス→デラックス・テラス→プール・ヴィラの順にランクが上がり、位置の高さも比例して上がります。スーペリアでは町の眺めが楽しめないかもしれませんが、私が泊ったデラックスは眺めもよく、広いテラスも付いていました。
ホテルでは朝食しか食べませんでしたが、基本的にはアラカルトで、卵の焼き方やパンの種類を選べることはもちろん、ラオス料理も堪能できます。宿泊客が少ないのか、朝食は毎度貸し切り状態で、無駄に人数の多いスタッフがそわそわしてたのが気になったり。。レストランからの眺めもやはり最高でした。
写真 左:ホテルロビー 中央:デラックス外装 右:朝食
このホテルの魅力は何と言っても巨大な屋上プール!
巨大な楕円形のプールは直径30mはあったでしょうか。
眺めがいいことはもちろん、プールの水面に反射して空と山が綺麗に写っていて、それだけでちょっと感動してしまいました。遮るものが何もないからこそ生まれた世界。他のプールではなかなか味わえない特別な体験だったと思います。
何が残念だったかというと、それは訪れた時期。もちろん乾季に入り天候は安定していて、旅行にはグッドな時期ですが、やっぱり寒いですよね。。
日中は30度近く気温が上がりますが、朝夜は上着が必要な程冷え込むため、プールの水温は上がらず。。
それでもなんだか悔しかったので、鳥肌立ててプルプルしながら泳がせて頂きました!他にお客さんもいなかったので、ビールを飲みながらちょっと寒い、優雅な時間を過ごすことはできましたよ。
ルアンパバーンの中心部へは、ホテルのシャトルバスで簡単アクセス。迎えに来る場所と時間もドライバーから教えてもらえるので、帰りも安心です。
町を歩くと多くの寺院が目にとまります。大小70もの寺院があるルアンパバーンの町には、僧侶の姿も多く見ることができます。朝には喜捨を求めて僧侶が練り歩く托鉢を見学することもできます。ルアンパバーンの托鉢は、ラオス全土で最も規模が大きいんですよ。僕らは朝はのんびりなので、見てませんが。托鉢は朝の6時頃です!とちょっと言い訳。。
そんなルアンパバーンの町では、たくさんの欧米のバックパカーのみなさんに出会えます。大きなバックパックを背負う姿はまさに旅人そのもの。そんな雰囲気も楽しめました。町中にはゲストハウスが数多く軒を連ね、まさに旅人の聖地です。
シーサワン通りやサッカリン通りは中心部を貫くメインストリートで、レストランやお土産屋さん、ちょっとしたコンビニのようなお店もあり、活気がありました。町中の移動は主にトゥクトゥクや徒歩で、徒歩でも十分中心部を周りきることができます。
メコン河と、その支流のナムカーン川に囲まれた町は、半島のような形をしているので、道にも迷いにくく、町も歩いて周れる。いざという時も換金所が多くあるので安心です。海外でのコミュニケーションが苦手な方でも、十二分に楽しめる場所だと感じました。活気もあり、田舎臭くもなく、それでいてどこかのんびりしている。
こんな場所もあるんだなぁと、歩いてるだけで不思議な、ワクワクした気分になりました。
町にはかなりたくさんのおしゃれなレストランが並んでいるので、昼食はかなり迷いましたが、ついに「Bistoro Daafa」に決定!さっそくビールを注文しましょう。
ルアンパバーンのビールは「ビア・ラオ」。他のアジアのビールは何となくのどごしが軽い印象ですが、ビア・ラオは日本の生ビールに近い味で、とっても美味しいです!お土産に購入してしまったほどです。日本でもなかなか見かけないので、是非ラオスに行ったら飲んでみて下さい!
このお店の魅力はオーナーが白人の女性で、パスタの麺など、基本的に自家製で作っているところ。通りに面したテラス席もあり雰囲気も抜群。
オーダーしたのは、バッファローのステーキと、特製カルボナーラ。初めてバッファローなる動物の肉を食しましたが、思ったよりも硬くなく、程良い歯ごたえ。特製のソースにからめて食べると、より一層美味い!このお店を選んで良かったと思った瞬間。自家製のカルボナーラも太麺でコシがあり、食べ応え十分でした!
最初に夕食に選んだのは、日本人ご夫婦が営んでいるソン・パオ。
ラオス料理が中心のメニューで、品揃えは豊富。日本語の写真付きのメニューもあり、味ももちろん素晴らしかったです!
ラオスの主食であるもち米を使ったカオ・ニャオは竹で編んだティップ・カオというおひつに入っていて見た目にもおしゃれ。手でつまんで食べるのですが、もちもちした触感が癖になります。酸味の強いソーセージを炒めたクア・サイ・ウア・ソムは、濃い味でビールのお伴には最高です。人気だという揚げ春巻きや、その他の料理も絶品で、欧米人にも人気があるようです。
時間が遅く、他のお客さんもいらっしゃらなかったので、オーナーと奥さんに色々な話を聞かせてもらいました。最近では韓国人の団体客が多く、大変なのだとか。かなり盛り上がり、ルアンパバーン到着の夜からかなり飲んでしまいました。。
次の夜に選んだのは、ラオス料理とイタリア料理がメインのお店、アンプチニ。
ここはお店の雰囲気で選んだのですが、店内は図書館をイメージしたレストランで、建物は1850年代に立てられたフランス風の家屋。ルアンパバーンの古い町並みにとけ込んでいて、モダンテイストにまとまられていました。
どっちかというとイタリアンを楽しみ、なぜかインドカレーを食べたり。食事も大満足でしたが、2人とも酒飲みなので、ここでも料理と一緒にビア・ラオを飲み、落ち着いた雰囲気を楽しみ、旅の疲れを癒しながらのんびり過ごしました。
夜になっても町の活気は衰えず、通りの両脇に光を蓄えたお店が並び、昼とはちょっと違う様子。
交通量も少なく、観光客で賑わっているので、危ない感じは全くありませんでした。
どこのレストランも欧米人で賑わっていて、装飾も派手だったり、おしゃれな雰囲気を漂わせていたり。どこも表がテラスになっていて中の様子がよく見え、お店を選ぶときお安心です。
やはり夜も町には忙しなさはなく、交通量も少ないためのんびりした様子に変わりはありませんでした。
ただ、昼の暑さが嘘のように冷え込むので、ちょっとした上着は必須アイテムです。
町から離れ車で約40分、向かったのは人気の観光スポットのクアンシーの滝!
ちょっと前までは道路も整備されてなく、倍の時間がかかったそうですが、今では整備され行きやすくなっています。近いとは言えませんが、道中でレンタサイクルで滝に向かう人もちらほら。
滝ということで何となくイメージもしていたのですが、いざ着くとその美しさに驚きました!水は木漏れ日の中でエメラルドグリーンに輝き、川を登れば登るほど、大小のいくつもの滝が楽しめるという予想外の規模。
中には飛び込みが楽しめる一角もあり、多くの人が飛び込んでいました。水着は持ってきていたのですが、意外に飛び込み台の位置が高かったので。。いやいや、マイナスイオンでかなり癒されたので、それで満足です。しかしみんな寒くないのだろうか。。ちなみに脱衣所もあったので、女性も安心です。
一番奥まで進むと、一番巨大な滝を見ることができます。
想像以上の大きさで、目の前まで行くことができるので、水しぶきを浴びながらダイナミックな滝を見ることができした。
足元は滑りやすいので、サンダルではなく、スニーカーで行くのがいいでしょう。
ラオスは多くの民族によって成り立つ多民族国家とされています。大小合わせて50近くの民族があり、その中のひとつ、モン族の村を見に行ってきました。
モン族の村は、クアンシーの滝の道中、少し山に入ったところにありました。
村では今でも昔ながらの技法と木材を使った家屋の集合で成り立ち、今でも川から汲んできた水を貯水し利用しています。もちろん自給自足です。中に入ると意外にもどの家もお土産を家の前に並べていて、主に小物入れやちょっとした鞄を売っています。すべて手作りで、モン族特有の、カタツムリを模したグルグルした模様が入っていて、色も鮮やかでした。
犬や猫、鶏もたくさんいて、町中とは全く違う、静かな田舎の雰囲気を楽しむことができました。
世界遺産、ルアンパバーンを象徴する寺院、ワット・シェントーン。
建立は1560年と最古で、すべての寺院の中で最も美しいとされています。
本堂は大胆に湾曲した屋根が特徴のルアンパバーン洋式といわれるスタイル。合計で9枚の屋根が連なっているとのことで驚きです。建物の装飾は色鮮やかなガラスでできていて、今でもその美しさは衰えていませんでした。大昔、日本から運ばれたガラスも使われているそうですよ。
本堂の裏には、ガラスで作られた巨大なモザイク画が描かれていて、かつてここに生えていたという、160mもの大樹がモチーフ。マイ・トーン(黄金の木)と呼ばれています。木の絵の周りには仏教に関する物語が表現されています。
寺院の中にある建物で私が驚いたのは、霊柩車庫です。中には1690年に行われたシーサワンウォン王の葬儀で使われた霊柩車が納められているのですが、その霊柩車の大きさに唖然。龍の首がいくつも生えた黄金の霊柩車は、どうやって動かしたのかと不思議になるくらい巨大で、とにかく輝いていました、自分の家の屋根の高さくらいはある霊柩車に目を奪われてしまいました。
本堂の横の赤堂にはちょっと面白いものが。入ると目の前に小さな仏像があり、これを頭まで持ち上げて祈ると、願いが叶うのだとか!さっそくやってみるも、その重さが半端じゃない!!小さいからとなめていたものの、なかなか持ち上がらない。本気を出して何とか頭上へ!持ち上げるのが精いっぱいで、祈れず。。。挑戦される方は、正座して仏像に頭をしっかり下げてから行いましょう。ホントに重いのでご注意。
写真 左:赤堂にて 中央:マイ・トーン(黄金の木) 右:霊柩車
ワット・シェントーンの裏から出ると、そこには雄大なメコン河の流れが!
河に手が届く場所まで下りていくことができるのですが、その階段の長さっ。写真で見て頂くとわかる通りですが、雨期になるとこの階段の一番高いところまで水かさが増すんだそうです!恐るべしメコン河。。夕日に手照らされて、なんとも美しい、のどかな雰囲気につい黄昏てしまいました。でも、日本の河川と違ってなぜこっちの河って茶色んでしょうかね。。そんなどうでもいいこととか、仕事のこととか、これからのこととか、なんだか色々考えてしまいましたー。なんだか自分と見つめ合うのにいい場所なんですかね。
そんなメコン河のほとりには、いくつもレストランが並んでいて、食事を楽しみながら河を眺めることができるんです!ここで食事をとる予定ではなかったので、のんびりビールを飲んで過ごしました。どのレストランも、ほとんど屋外にテーブルが並んでいる格好で、どちらかというと、ビア・ガーデンのような雰囲気でした。
今回の旅で最も楽しみにしていたのはビール、ではなくここプーシーの丘!
高さ150mの小高い山で、メコン河とナムカーン川に挟まれたルアンパバーンの町が一望できるんです。実際に登って見下ろすと、広がっていた景色はかつて、入社時に新人研修で見た光景に重なりました。初めてラオスに行ってみたいと思ったあの時。なんだかとても懐かしく感じたというか、本当に来たんだな、という実感が湧きました。ちょうど夕日が沈むタイミングで登ることができ、その美しさに見惚れました。夕日に照らされたルアンパバーンの町並みはオレンジ色に染まり、少しもやがかかった様子にはなんとも言えない感慨深い気持ちに。また一つ、ルアンパバーンが好きになった瞬間です。
ちょっと気になるのは人の多さ。人数が多いというより、頂上の展望台が狭いため、ちょっと身動きをとるのが大変でした。撮影のベストポジションを確保するのに一苦労したり。
夕日が落ち、暗くなり始めると、中心部のメインロードもナイトマーケットの明かりで照らされ始めます。
100m以上の長いマーケットでは、様々なものが売っていて、お土産にもってこい!
たくさんのお土産があり紹介しきれませんが、私がお土産に選んだのはTシャツに小さなカバン。タイパンツのような涼しげな、いうなればラオスパンツと、モン族の模様が入った色とりどりのコースター。帰ってから、買っていった人に喜んでもらえたので、いい買い物ができたと思います。他にもラオスの織物や置物、絵画や小物入れに、何に使うか分からないものまで、ただ見るだけでも楽しい場所でした。料金も本当に安く、他のアジアの国のように面倒な値段交渉がほとんどないのもラオスの魅力の一つだと感じました。
初めてラオスのルアンパバーンに足を運び、最も強く感じたのはその静かでのんびりとした雰囲気でした。
他の旅行先に行けば、綺麗な海を見たり、誰もが知っている有名な建築物や世界遺産を見たり、優雅にリゾートライフを送ったり、豊かな自然が作った地形に目を奪われたり。そんな「見どころ」にかけるのではないかと思っていたルアンパバーン。でも、それがいい。他では味わえない味が、ルアンパバーンにはある。本当にそう感じました。
ただのんびりと、古き良き町並みとゆっくり流れる時間に身を任せお酒を飲んで語り合う。物思いに耽る。ただ歩く。。山間の、河に挟まれた小さな町に訪れれば、きっとまた来たいと思うのは私だけではないはず。何度もここに訪れている上司の言葉が今なら分かるのです。今度は自分がラオスの、ルアンパバーンの素晴らしさを人に伝えることができるよう、経験を活かせれば。そんな風にも強く感じます。
今回の旅では、ラオスのモン族出身のガイド、イエンさんにも大変お世話になりました。村の出世頭で、日本に何年も住んでいた経験もあるんだそうすよ。実は私よりも一つ年がしたの女の子なのですが、とてもしっかりした、ラオスと日本が大好きな子です。本当にお世話になりました。また行くことがあれば是非。
とにかく、ラオスが本当に大好きになれた旅でした!
これといって何もない感じが本当に素晴らしいんです!信じられないという方、騙されたと思って、是非!!