さながらデザイナーたちの競演!? | イタリアの旅行記

支店
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さながらデザイナーたちの競演!?

エリア
イタリア
/イタリア
テーマ
鉄道旅行
時期
2013/4/2~2013/4/6
投稿日
2013/4/16
更新日
2017/10/6
投稿者
小圷孝幸

イタリアへの出張は10年以上ぶりでした。さすがに10年も経つと以前の認識とは違うことも多く、その中で移動に使った鉄道について書いてみたいと思います。

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  • 回顧録

    この話しを書くとおおよその年齢が明らかになってしまいますが、私が小学生の頃、世は「スーパーカー」ブームに沸いておりました。当時の少年たちは、スーパーカーの撮影に夢中になり、またお小遣いをためて写真集を買ったりしたものでした。
    ~ランボルギーニカウンタックLP500S、フェラーリ512ベルリネッタボクサー、小学生が初めて「イタリア」に触れた瞬間だったように思います。その中で少し詳しく書いてあるスーパーカーの本には、車のデザイナーの名前を冠したものもありました。勿論小学生に意味がわかるハズがありません。ただ、毎日呪文のように繰り返し口にしていると、今でも自然と頭に残っているものです。
    その呪文のような言葉が、車のデザイナーの名前であり、それが今のイタリアの列車のデザインを手がけていたことを知ったのは、社会人になってからのことです。

  • イタリア版「のぞみ」「ひかり」「こだま」?

    10年以上ブランクがあると、イタリア鉄道事情も変わるようです。以前は「ペンドリーノ」と呼ばれた振子式特急ETR450やETR460をローマのテルミニ駅で見ることはなくなりました。また、日本でいう「のぞみ」や「ひかり」のように、列車に愛称がつけられています。

    Frecciarossa(イタリア語で赤い矢)号 主にナポリ~ローマ~フィレンツェ~ミラノ~トリノの幹線に走る。ピニンファリーナデザインのETR500を利用。近々最新のETR1000が走る予定。

    Frecciaargento(同じく銀の矢)号 主にローマ~フィレンツェ~ヴェネツィア、ミラノ~ヴェネツィアの路線に走る。ETR600はジウジアーロデザインのETR460をベースにしている。

    Frecciabianca(同じく白い矢)号 その他の幹線を補完的に走る。

    最高速度が早い順に「赤」→「銀」→「白」です。

     
    写真左…フレッチャロッサ ETR500
    写真中…フレッチャアルジェント ETR600
    写真右…左:フレッチャビアンカ、右:フレッチャアルジェント

  • フェラーリ特急「.italo」!

    EU内の鉄道は、2010年に自由化され、新規参入が可能になったそうです。そこでフェラーリ社(親会社のフィアット社)の会長やイタリアブランドの社長などが出資してntv社を設立、イタリア鉄道の線路を使って自社の列車を走らせることにしたのが、フェラーリ特急.italoです。ちなみに車内のデザインはジウジアーロが担当しました。
     
    私は今回、フィレンツェ~ヴェネツィア間を移動するときに利用してみました。さすがに新しいだけあって車内は綺麗でサービスもフレッチャロッサに匹敵するものがありますが、旅行の中に組み込む際、いくつか注意点がありますので、ご参考になさってください。
     
    まずはデメリットから
    ●ローマはテルミニ駅、ミラノは中央駅には発着しません!両都市とも市内の別の駅になりますのでご注意下さい。
    ●線路をtrenitaliaと共用しているので、ピークの時間帯を中心に、若干の遅れがみられます。余裕を持った旅程を組んでください。
     
    メリットです
    ○フィレンツェ、ヴェネツィア、ナポリ等は中央駅に発着します。私の乗車したフィレンツェ~ヴェネツィア間などは、所要時間もフレッチャアルジェントと同じです。
    ○フェラーリレッドの車体に、ジウジアーロデザインの内装、座席は2等車(スマート)でも革張りです。

    今後当社でもイタロを組み込んだツアーを企画していく予定です。

  • イタリア~フランス間夜行列車

    「日曜日の午前中に会いたい」というわがままなパリのあるホテルのオーナーの要請に応えるためには、夜行列車に乗るしかありませんでした。
     
    確か10年前のイタリア出張時にも乗りましたが、そのときは「アルテシアナイト」という名前で、ユーレイル系のパスを持っていれば割引利用ができました。それが、パスを持っていても一切割引をしない「テロThello」という名前に変わっていました。
     
    翌日の午前中にあるホテルに行くには、ローマ発パリ行きの列車では間に合いません。フィレンツェにいた私はイタロでヴェネツィアまで行き、そこでThelloに乗り換えました。Thelloには様々タイプの車両が連結されています。1人用寝台車、3名用寝台車、4名用簡易寝台車、6名用簡易寝台車と食堂車です。
     
    夜行列車なので車窓を楽しみながら食事を、というわけにはいきませんが、今や日本では絶滅してしまった食堂車での食事ができます。メニューは軽食が中心、車内の電子レンジで調理できる程度のものしかありませんが、あるだけ立派です。
     
    それと私が利用した4名用簡易寝台車ですが、もともとは6名用と同じ車両で、その中段は使用しませんよ、という程度の車両でした。だから上段は普通のベッドになりますが、下段は座席の幅のまま使ってくださいよということらしく、ベッド幅が、日本人の私が寝ても非常に狭い状態でした。これなら6名用の方が良かったように思いました。
     
    写真左…快適とはいい難い4名用簡易寝台車
    写真中…貴重なレストランカー
    写真右…レストランカー車内