気がつくと10月第1週での渡欧は4年目になりました。前に何度も書いているように、それまでは10月第1日曜日にパリで開催される競馬の凱旋門賞を見に行くためでした。
ところが…
今年の凱旋門賞へ登録していた日本馬数頭がことごとく出走を回避し、夏競馬が始まるころには、ついに出走ゼロとなってしまったのです。
しかしながら、そのことで渡欧をやめるわけにもいきません。何故なら、この時の少し前に、せっかくロンドンでラグビー日本代表が試合をするのなら、それを観戦に行くのもいいじゃないか、「競馬観戦のついでに」ということで、インターネットでサモア戦のチケットを入手しておりました。
結果は、「ついでに」なんて失礼にもほどがある!日本国内でも大いに盛り上がったようですが、現地でも大盛り上がりのラグビー観戦となりました。その一部始終をご紹介いたします!!
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まず最初に書いておかなければならないことは、(大会前の)日本では考えられなかったことですが、ラグビーワールドカップという大会は、世界的には、かなり大規模で、かなり人気の高い、一大イベントであるという点です。
チケットの発売・購入については、まず前年(つまり2014年)の9月半ば~末までの期間に発売され一旦締め切られます。その後何度か調整を経て順次オフィシャルサイトで販売する形が取られました。
私は当然ながら(上記の発売期間は、1年前のパリ旅行にも出発していない時期でしたので、)第1次発売期間には間に合わず、その後オフィシャルサイトでアカウントを作成してはみましたが、日本戦3試合のチケットは、どこぞの大手旅行会社が買い占めているのかどうかわかりませんが、ずっとしばらくの間「現在販売できるカテゴリーなし」の表示が続いていました。
ただ、やはりゲームによってチケットの正規の値段に大きな違いがあります。地元イングランドのゲームや大人気のオールブラックスのゲームは、一番下のカテゴリーでも200ポンド近い定価をつけていましたが、お互い当時の世界ランキング10位前後の我が日本対サモアのゲームは、一番上のカテゴリーAでも80ポンド、一番下のカテゴリーDで25ポンドというリーズナブルな定価でございました。
そこで狙うカテゴリーを下から2番目、カテゴリーC(定価35ポンド)に定め、調整の結果の再販売開始を待ちます。それでも結局このカテゴリーCが再販されたのは、年が明けた6月半ばのことでございました。
チケットの取り方についてはそんなに難しくありません。ウェブサイト上でマイページを作成するのにメールアドレスとパスワードを登録するだけです。決済はオフィシャルパートナーであるマスターカードならば手数料無料で決済できます。ただ、やってみてわかったことですが、ウェブ上で決済するので、マスターカードであれば、MasterCard SecureCodeの入力が必要です。(事前にお持ちのマスターカードにセキュリティコードを登録しておきます。その登録がないカードだとチケット購入に使えません。)
それにバカにならないのが送料です。英国内送料はわずか数ポンドになっていますが、国外向け送料は19ポンド、我がチケット代の半額以上です。7000円のチケットを買うのに4000円の送料を支払うことになります…
めでたくウェブ上で決済が完了しましたが、次の心配は、本当にチケットが届くのか?ということです。まあ同じ心配を世界中の人々がされているのでしょう、オフィシャルサイト上には「チケットは7月から順次送ります。世界中に配送する手続きに時間がかかるので、届かないからといって不安にならないでください、ゲームの1週間前までに届いていなければご一報ください。」という意味の告知がなされました。私のチケットは無事8月末日にDHL便で届きました。
冒頭に書いたような大人の事情もあり、渡欧エアチケットはパリ単純往復(エールフランス)と相成りました。さらに、ただでさえ円安ポンド高(ちなみに当日の為替レートは1ポンド190円弱だったでしょうか。両替所のレートは200円近くになっておりました。)の上、世界でもホテル代が高いロンドン、さらに当日はロンドン市内でイングランド対オーストラリアというビッグゲームが組まれているその夜に、ロンドン市内で宿泊する勇気もお金も持ち合わせておりません。
そこでパリ発日帰りの旅を決行することにいたしました。当初羽田を夜に出発し、パリに早朝に到着する便を利用、そのままドゴール空港にスーツケースを預け、easy jetというLCCでロンドン郊外のLuton空港に飛び、鉄道でMilton Keynes入りしようとしておりました。しかし、肝心のAF夜便に空席がなく、関空からのお昼前の便になってしまいました。そうなるとパリ到着は夕方になります。
そのために「パリ→ロンドン→パリ、連続夜行バス利用0泊2日」というプランになりました。(この夜行バスOUIBUSについては別の旅日記で紹介させていただきます。)
ドゴール空港到着後、まずターミナル2Eと2Cの間にある鉄道駅へ行き、順番を待ってこの先必要なすべての列車(TGVや寝台列車)の予約を取ってもらいます。(スポーツイベントのあと1週間かけてユーレイルパスで周遊予定)めでたく指定券の入手ができたら、となりのRER乗り場からパリ市内へ。途中Saint-Michelでメトロに乗り換え、Montparnasse駅へ。日曜日にパリへ戻ってくるまでの間、ここにスーツケースを預けます。身軽になったところで、東駅近くの行きつけのビストロで夕食を取って、22:00ころメトロでBercy駅へ。
メトロの駅とSNCFの駅は工事中ということもあり若干離れていて、この時は少し迷ってやっとSNCFの駅前広場に停まっているバスを発見しました。バスはすべて事前予約制でEチケット制。今のところウェブサイト以外での予約はできません。乗る時はパスポートを見せて座席番号と照合してもらうとすぐ乗せてもらえます。大きな荷物がある人は荷物入れに収納してから乗りこみます。ロンドン行きは需要が多いのかダブルデッカーでした。
22:30定刻に出発、およそ2時間に1回程度サービスエリアで休憩があります。この日はカレーに着くまで2回の休憩がありました。
「カレーに着くまで」と申し上げましたが、本来このバスはカレーのとなりのフレタンというところから、バスごとユーロトンネル専用列車に積み込まれて、対岸のフォークストンに運ばれる予定でございました。しかし実はこの日、ユーロトンネルに不具合があったみたいで、昔と同様、カレー港からバスごとフェリーに積み込まれて、ドーヴァーへと運ばれることとなりました。もちろんフェリーに積まれている間は船内のカフェや免税店で過ごすことができます。ただそのせいで本来のロンドン到着時刻の6:10には、まだドーヴァーの港におりました。(結局ロンドンには2時間の延着でした。)ちなみに帰路は通常通りユーロトンネル経由で帰仏しました。
トンネルのトラブルのおかげか、英仏フェリーの中には、我がOUIBUSのほか、老舗バスのEurolinesバス、ドイツ鉄道が今年からDusseldorf-Eindhoven-Antwerp-Londonと運行を始めたIC BUSなどが船底に勢ぞろいすることとなりました。
最後に入国審査のことを書いておかねばなりません。どんな交通機関を利用するにしてもフランス→イギリスの旅行ではイギリスの入国審査を受けなければなりません。夜行バスの場合は、カレーの港で深夜2:00ころ叩き起こされて一度バスを降り、イギリスの入国カードに記入しパスポートと共に係官に提出します。大陸内ではほとんど無言で出入国できますが、イギリスの場合は必ず口頭で質問されます。
~(私の入国カードを見た女性係官)「日帰りね?あなたはどこから来たの?」
~「パリからです。」
~「イギリスの後はどこへ行くの?」
~「パリに戻ります。」
~「フランスには何日間いるの?」
~「10日間です。」
~「イギリスではどこに行くの?」
~「ミルトンキーンズです。」
~「目的は何?」
~「ラグビーワールドカップを見に行きます!」
これで何とか入国スタンプがもらえました。
2時間の遅れは当方にとって至極都合のいいこととなりました。6時過ぎにロンドンに着いても、キックオフは14:30ですし、そもそもロンドンを12時過ぎに出る列車のチケットを買ってあります。8時半ころヴィクトリアコーチステーションに着いて、ホルボーンのパン屋で朝食、大英博物館でロゼッタストーンなぞを見てから、ユーストン駅へ。
写真左;渡英前に寄ったパリのビストロ夕食。もう20年くらい通っていますが、変わらない味と雰囲気が嬉しい…
写真中;カレー港で入国審査の人を待つバスたち
写真右;ロンドン到着後ホルボーンのパン屋で食べた朝食のエッグベネディクト
かなり有名な話ですので今更書くことではないのかもしれませんが、ロンドンは交通費もバカ高い!地下鉄の1回乗車で普通に紙の切符を買うと4.80ポンド、およそ900円になります。ただこれは何の準備も情報も持たずに買った時のことで、逆に情報をもって準備すれば交通費はおさえることができます。
★ロンドン市内の移動★
通常はビジターオイスターカードを作ります。日本のSuicaやICOCAのようなものですが、日本出発前に英国政府観光庁のウェブサイトからオンライン購入もできますし、現地で買う場合はチューブの駅などで保証金3.00ポンドを支払えば購入できます。カードを入手したらそのまま駅の券売機で必要な金額をチャージ(現地ではTop-upといいます。)いくらチャージすればいいかはその人の移動によって細かく変わりますので、そのあたりは情報入手が必要です。まあ一番多いパターンは、地下鉄やバス、市内電車などに1日乗り放題を希望する場合かと思いますので、その場合どのようにすればいいかを書いておきます。
オイスターカードには「1日乗り放題でいくら」という区分は存在しません。その代わりに1日のうちに何ポンド分使った暁には、以後それ以上の交通費を徴収しません、ということになっております。
ロンドン市内ゾーン1内の移動で説明します。
オイスターカード利用1回乗車2.30ポンド~2回目も2.30ポンド~3回目…という具合にカードから差し引かれていきますが、最大差引額が6.40ポンドですので、ちょうど3回目の乗車の際6.40-2.30-2.30=1.80ポンド差し引かれて、以後何回乗車しても差し引かれることがなくなります。(ロンドン市内交通TFLのウェブサイトでは、Dairy Cappingと表示しています。)この状態が1日乗り放題となります。
さらに、地下鉄などに乗らずに、ロンドン名物、赤いダブルデッカーバス(2階建ではないバスもありますが同じです。)のみ利用する場合は、1回乗車につき1.50ポンド、最大差引額は4.40ポンドになりますので、かなりお得です。そもそもロンドンでは、運転手に現金を支払ってバスに乗ることができなくなっていますので、オイスターカードなどを使うしか方法がないのですが…
★ロンドン郊外線のきっぷ★
スタジアムがあるMilton Keynesという街は、ロンドンから電車で1時間弱のところにあります。イギリス鉄道National Railのウェブサイトを見ると、この区間を運行している鉄道会社はVirgin TrainsとLondon Midlandの2社ということがわかります。その中で最もお得な切符を買うには、事前にAdvanceという列車限定、払戻不可という運賃のものをクレジットカードで購入することです。今回はキックオフの14:30の1時間前にスタジアムに到着するように、ロンドンのユーストン駅を正午過ぎに出発する列車を、復路は試合終了時刻のおよそ2時間後の列車を、それぞれ事前に購入しました。 片道6.00ポンド、往復で12.00ポンドでした。切符の受け取りですが、ウェブサイトで決済すると、受取駅を聞かれますので受取可能な駅を指定しておきます。(今回はバスでヴィクトリアに着きますので、ヴィクトリア駅受け取りにしましたが、ユーストンでもかまいません。)予約番号が表示されますので、それを控えて、決済に使ったクレジットカード本体と共に渡英します。その列車の出発時刻までに、駅の券売機に、決済に使ったクレジットカードを挿入し(これは本人確認のため)、予約番号を入力すればその場で発券してくれます。
こうして何とかMilton Keynes Central駅に到着すると、駅前広場からスタジアム行き無料のシャトルバスがピストン運転していました。バスに揺られること20分、スタジアムへ。バス停からスタジアムまでは10分ほど歩いて行きます。
場内の状況や試合の状況などは日本でも放映されたものと思いますので詳しくは省きたいと思います。スマホのカメラで撮ってもこれ以上大きくは写りませんので。。。
写真左;ヴィクトリア駅で発券した電車のチケット
写真中;試合開始前のセレモニーの様子
写真右;試合中。五郎丸選手のプレイスキック
※2016年1月より、ロンドン市内交通機関の運賃が若干値上げされました!