フランスSL列車の旅 | フランスの旅行記

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フランスSL列車の旅

エリア
フランス
/フランス
テーマ
鉄道旅行
時期
2013/10/8~2013/10/8
投稿日
2014/5/1
更新日
2017/10/6
投稿者
小圷 孝幸

<前の旅日記から続きます。>

http://stworld.jp/diary/ZZ/526a325eea59a5.80778550/  

 前日はニースから乗ったTGVをマルセイユで降り、TER(地域間急行)に乗り換え、Valenceという街で泊まりました。そして今日はフランスのSL保存鉄道に乗ります。

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日数:5日間  
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  • とてつもなく遠かったSL始発駅Tournon

    今日フランス鉄道に乗るのは、近郊線で片道20分程度の区間の往復だけですので、ユーレイルパスを使わず、自動券売機で往復の切符を買ってTERに乗り込みます。急行列車は途中の小さな駅を通過し、最初に停まった駅が下車駅、Tain L'hermitageです。駅名の後についているTournonというのは、ここTainからローヌ河を渡った隣の県にある町の名前で、SL列車の始発駅があります。もとはフランス鉄道の駅もあって列車が発着していましたが、旅客営業は廃止されてしまい、Tainから徒歩で河を渡って行くしかなくなってしまいました。
     
    今はスマホに地図を表示させて歩くことができるので、迷うことはありません。途中で大河ローヌを渡り、小道をたどると、目指す旧トゥルノン駅が見えてきます。
     
    しかし…どうも様子がおかしい。普通週に1回のSL列車運転日であれば、出発時刻の1時間前には、カップルやら家族連れやら鉄っちゃんたちが集まってきているだろうし、何よりも肝心なSLがどこにもいない!それどころか旅客営業をしていない駅には誰もいないのでした。
     
    狐につままれたような状態で、近くのホテルAzaleesに飛び込み、フロントの若いマダムに「SLに乗りに来たのだが、駅はここではないのでしょうか?」と聞いてみます。するとマダムはどこかに電話をしてくれたり、端末をたたいてくれたりしながら、(しばらく前から始発駅の場所が変わり)ここから4kmほど離れたところだと教えてくれました。駅前をウロウロしていましたので、もう出発時刻の10:00まで30分ほどしかありません。「お手数をおかけしますが、タクシーをお願いします!」すぐにタクシー会社に電話をしてくれたのですが、道が混んでいるので30分ではいけないかもしれないとのことでした。途方に暮れていると、そこに、おそらくホテルの人だと思われる若いムッシュが現れ、マダムと何やら話し始めます。なんと!そのムッシュはマダムの旦那さんで、この前結婚式を挙げたばかりの新婚さん、でしたが、わたくしを自家用車で駅まで送って下さるというのです!
     
    みなさん、フランス人が無愛想で冷たいという先入観は捨てたほうがいいですよ!
     
    この時天にも昇る気持ちで、ありがたくムッシュの運転する、まだ結婚式のとき飾られた造花のあとがのこる車で、始発駅Tournon Saint-Jean de Muzolsまで送っていただきました。このときほど、何らお礼をするすべを持たない旅人であることを恥ずかしく思ったことはありません。本当にありがとう!末永くお幸せに!!
     
    写真左…Tain L'hermitageの駅。周囲は名産のワインのためのぶどう畑
    写真中…大河Rhone。Ardeche県とDrome県の県境。
    写真右…大変お世話になったホテルの新婚ムッシュ

  • SL「Mastrou号」に乗り、山あいの街「Lamastre」へ

    そんなこんなで出発時刻の10分前に乗車できましたが、何とか進行方向向きの座席に座ることができました。我々が乗る客車は日本風に言えばトロッコ列車、貨物列車に屋根を付けたようなものですので、終点Lamastreまでの90分間、外の空気に触れながら行くことができます。10月ですが晴れて気温も上がっていましたので、長袖のセーターがあれば問題ありません。また、このような長い距離、時間乗れる保存鉄道というのもあまり例がないのではないでしょうか。
     
    写真左…車窓から
    写真中…途中駅で出会ったレイルバスのような車両。夏はこちらに乗るプランもあるようです。
    写真右…終点Lamastreで方向転換

  • Lamastreの街から下山

    終点Lamastreに着いても、さっさとどこかに行ってしまう乗客はほとんどいません。みなさんある儀式を見るために、駅の中にとどまっています。SLの運転台は片側にしかないために、帰りは向きを変えるか、そのまま後ろ向きで行くかどちらかです。ここラマストル駅には人力の転車台があります。まず客車を切り離し、機関車だけを転車台に載せます。それを3人がかりで回して向きを換え、側線を通して一番前に移動させ、また客車を連結して完了です。この儀式が終わると、乗客の皆さんはめいめい街に出ていくというわけです。
     
    ひと昔前ならば、駅の中での昼食付プランというのも鉄道会社を通じて予約できたそうですが、今はなく、町のレストランで各自が食事をとる必要があります。街に向かって歩いていくと、小川にはカモの親子、その先の広場では市がたっています。ちょうどSLが着くのを待っていたかのように、乗客の皆さんがあらかた買い物を済ませると、店じまいをするのでした。
     
    昼食のレストランで見かけたパラソルに緑色の「Vals」の文字が。パラソルの文字を読んでみると、どうもこの地方の発泡ミネラルウォーターのようです。店の中に現物を覗くと、瓶の色も形もペリエそっくり。地ワインならず地ウォーターを昼食後近くのスーパーでひと瓶求めて味わいました。この「地ウォーター」には図らずも今晩再会するのですが…
     
    15:00の出発時刻はあっという間におとずれ、再び車中の人となります。往路とは反対側の座席に陣取り、下界へ。
     
    朝親切なムッシュに送ってもらった始発駅に戻ってくるも、タクシーもバスも全くなく、ほかの乗客はめいめい自家用車で帰宅の途につきます。近くのオートキャンプ場に行くファミリーも少なくありません。その中をローヌの支流に沿って延々4km、さらにTainの駅までの1km、水の入った緑色のガラス瓶をかついで、とぼとぼと戻ったことは言うまでもありません…
     
    写真左…Marcheが立つLamastre市街
    写真中…スーパーで購入したVals
    写真右…4kmの道のりを歩いてやっとローヌが見えてきた


    <次の旅日記に続きます。>

    http://stworld.jp/diary/ZZ/5361ed7726e485.15115770/