英仏での滞在を終え、ベルギー南部のワロン語(フランス語)地域の観光ポイントを巡ります。
スタッフおすすめ!お得ツアー
成田発
≪成田発着カタール航空≫~2カ国周遊~見所満載!エンターテイメントの街ロンドン×街歩きが楽しいブリュッセル 観光に便利な市内ホテル泊!7日間
日数:7日間
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フランスからベルギーへ移動する場合、大部分の方が直行の超特急Thalysを利用することと思います。もしくはエールフランスで日本からパリに到着し、そのままブリュッセルへ乗り継ぐとき、(この区間は航空便がありませんので、)ドゴール空港駅からTGVを利用することになります。
私の場合も、上記のようにユーレイルパスをフランスの駅で提示し、適当な時刻のThalysの指定券を発行してもらっても良かったのですが、この区間、平日の1等車利用の場合、否応なしに食事のサービスが含まれます。当然食事代が指定券に上乗せされますので結構な指定代になります。今回パリのホテルの宿泊プランには朝食が含まれておりましたので、ホテルで朝食を取り、その数分後に列車の機内食?が供される、ということになってしまいます。それを避けるには、この区間をあえて2等車にするという手もありますが、せっかく日本ではほとんど縁のない、特急列車のグリーン車に相当する車両に乗れるパスをもっているのに、何とももったいない、そこでThalysを使わずにベルギーに入れる別のルートを探すことにしました。
今回の目的地はベルギー南部ですので、ブルージュやアントワープなどのフラマン語(オランダ語)地域には参りません。南部を周遊するのだから南部から入ろうと調べてみると、少し前に開業したTGVのドイツ方面に行くルートを途中のMetzまで走り、Metzから北上してルクセンブルクまで行くTGVを見つけました。これなら普通のTGVですので食事代に関係ない指定料金のはずです。(実際は国際列車だったからなのか、残席が少なかったからなのか、フランス国内の通常のTGVの指定料金よりも若干割高ではありましたが、Thalysの比ではございませんでした。)
こうしてパリのホテルでゆっくり朝食をいただき、ホテル前のバス停から北駅ではなく東駅まで乗車、ルクセンブルク行きのTGVに乗りました。
写真左・中:ルクセンブルク中央駅
写真右:向かって右側にフランスからの列車が発着、ベルギー行きの列車は向かって左側の1番線・2番線に発着します。
ここで、今回の旅のプランニングに使ったウェブサイトをご紹介したいと思います。ベルギー南部は北部より面積が広く人口も少ないので、左ハンドル右側通行の自動車運転に抵抗がない方であればレンタカーの利用が便利です。ただレンタカーを利用せずに移動するとなると、ベルギー鉄道SNCBと、この地域をくまなくカバーしているTECというバスの利用になります。
ベルギー鉄道SNCB http://www.belgianrail.be/
ワロン地域のバスTEC https://www.infotec.be/
SNCBの行程検索メニューは、他の国の鉄道会社のサイトと同様に使えますが、すごいのは、検索の始点・終点に、TECのバス停も選択できることです。(おそらくこの2つの会社のデータベースがどこかでつながっているのだと思います。)この機能のおかげで、A駅からB駅までのルート案の候補に、途中TECバスを組み込むと早いとか、あらゆる候補を表示してくれます。事実この機能のおかげで、ベルギー2日目に、TECバスを使ってショートカットできました。
さらにすばらしいのがTECのウェブサイトです。何月何日にどこからどこまでと検索すると、その日運行しているバスのすべての時刻表が表示され、乗り換えのパターンも複数表示、そればかりか、バスのルートがgoogle map上に表示され、バス停をクリックするとバス停の位置がmap上に表示されます。SNCBの駅とバス停の位置も一目瞭然でわかり、バスをバス停で乗り継ぐ場合も、そのバスが発着するバス停の位置までグラフィックで表示してくれます。運賃とその支払方法も詳しく記述されていて、後述のMOBIBの購入に大いに役立ちました。難点は現在フランス語とドイツ語のサイトしかないことぐらいでしょうか。
とにかくこの2つのサイトを駆使して、南部ベルギーのプランニングをいたしました。
旅の行程に戻ります。ベルギーからの折り返し列車が遅れてきた関係で、20分遅れてルクセンブルクを出発、途中マルロワという駅で乗り継いでリエージュへ向かいます。マルロワでの乗り換え時間はたった7分しかありません。普通に考えると乗換不可能ですが、マルロワまでの間に所定の停車時間を切り詰め、スピードを上げて走ったおかげで、マルロワではリエージュ行きの発車1分前に到着、地下道を走って何とか間に合いました。
定刻リエージュ・ギュマン駅到着。リエージュでお昼を迎えますので、有名なリエージュワッフルなぞを昼食に、と考えると、この駅ではなく2つ先のPalais駅まで行った方が中心部に近いのですが、話には聞いていたギュマン駅を良く見たくて、思わず降りてしまいました。
~この駅、かっこいい!~
かっこいい!ですが、街の中心ではないので、昼食は駅で取るしかありません。駅の外観に似た駅の中の「かっこいい」カフェでサンドイッチと、ベルギーでの初ビール!
それとここでもう1つやらなければならないことがあります。これから先、幾度となくお世話になるTECのバスのICカードを入手しなければなりません。いや特に「入手しなければならない」というわけではありません。バスに乗るたびに1回1回チケットを買って刻印して乗っていけばいいのですが、ご多聞に漏れずICカード利用の方が1回1回の運賃が割安なこと、ここで購入したICカードは、ブリュッセルやブルージュのバスや地下鉄のチケットをダウンロードできること(ちょうどSuicaを大阪で使えるのと同じ。)、何よりもウェブサイトに載っていた、このICカード「MOBIB basic」のデザインに一目惚れしてしまい、何とかこのTEC製のMOBIB basicを手に入れたいと、日本出発前から考えていたことでした。
ギュマン駅の中にTECのカウンター「ESPACE TEC」がありましたので、「MOBIB basic下さい。」と言ってみます。「チャージはどうするんだい?」と聞かれたので、日本で立てた行程の通りに、乗車予定の区間を挙げていくと、「そんなに乗るなら複数乗車乗り放題のプランをチャージした方がいいな。」とさらにお得なプランを教えていただきました。これだけあれば2日間TECのバスは乗り放題でお釣りが来る、MOBIBの有効期限は5年間あるから、5年のうちにまた来ることもあるだろう、ということで、無事MOBIB basicを入手しました。
写真左…Liège Guillemins駅外観。かっこいい!
写真中…階上から直接ホームに下りられます。
写真右…入手できたMOBIB basic。後にブリュッセルでメトロ24時間券もダウンロードしますよ!
リエージュからICに乗っておよそ1時間、Trois-Pontsの駅に着きます。ここからTECの旅の始まりです。駅前にやってきたバスに乗り、先ほどのMOBIBをタッチパネルにかざします。するとどのチケットを使うのか?と画面に表示されるので、近距離チケット「NEXT」を選択、再度MOBIBをかざすとOKになります。およそ10分強でStavelotの街です。今回は半日のみ、修道院を改修して作った建物にいくつかの博物館が入っているところを訪ねるだけの時間しかありません。
その中の1つが「スパ・フランコルシャン博物館」、言わずと知れたF1ベルギーグランプリが開催されるサーキットです。地下1階からレーシングカー、ビンテージカーなどの展示とグランプリの歴史などを見ていきます。歴代パイロット紹介コーナーに、かのSatoru Nakajimaの名前がなかったのはどうしたことでしょう。今からでも遅くないので是非加えていただきたいと思います。
写真左…Stavelotの街中に突如現れる、サーキットパドックへの案内板。パドックへは公道から入るのか…
写真中:展示のF1カー
写真左:私が最も愛するスーパーカー、ポルシェ914
F1を見終わったのち、1階(日本風に言えば2階)に上がるとアポリネール博物館です。パリを訪れるたびにミラボー橋を訪れるほどのミラボー好きの私としては、一度ここも見ておきたかったのですが、彼の生い立ち、ローランサンとの生活と破局の解説と、ピカソなど後の有名人がことごとくアポリネールの自画像を描いていることなどがわかり、興味深かったと言えます。ただ、展示物自体はそんなに多くございません。
写真左:博物館外観=Abbaye de Stavelot
写真中・右:アポリネールの絵
スタヴロからの帰りは、トロワポンへは戻らず、来た時のバスの2時間後の同じ方向へのバスに乗車、Verviersという駅に向かいます。来た時のトロワポン~スタヴロはバス10分、近距離券NEXTでOK、しかし復路スタヴロ~ヴェルヴィエはバス1時間、長距離券HORIZONを利用します。本日の目的地Barvauxまでは、どちらの駅から行ってもそう変わらない時間で着きます。ではなぜ遠回りをしてヴェルヴィエ経由にするのか?
そのバスは、途中で当のスパ・フランコルシャンサーキットのそばを通るのです。あいにくの曇り空、そしてそろそろ夕暮れの時刻、遠目にチラリと見えただけでしたが、サーキットの縁石やカラフルなタイヤウォールなんぞを見ることができ、遠回りのかいがございました。
意外に、と言っては街に失礼だと思いますが、意外にに大きな街、意外に大きな駅であったVerviersから一旦Liège-Guilleminsで列車を乗り換え、20:00過ぎに本日の目的駅Barvauxへ到着。宿泊地のDurbuyまでは5km以上ありますので、ここは事前にタクシーを予約しておりました。駅前広場にマダム1人で、8人乗りワゴンのタクシーと共に待っていて下さり、10分強で宿泊地Durbuyのホテルへ到着。
この街Durbuyは、「世界で1番小さな街」と言われているそうで、ガイドブックによれば人口500人ほど。でも、そう言われても20:00過ぎの街で営業しているところと言えば、宿泊予定のホテルくらいしかありません。ホテルが建つ広場をはずれると、懐中電灯がないと歩くのに難儀するほどの暗さです。夜の街歩きは諦め、そのままホテルへチェックイン。
「世界で1番小さな街」には1つの修飾語がついています。それは「美食の」。世界に名だたる美食の国ベルギーの中の美食の街、とにもかくにも期待が膨らみます。事前に駅からのタクシーと共にレストランの予約も済ませておりましたので、チェックイン後すぐにレストランへ出かけます。
時期はまさにジビエの季節、この日のジビエは小鹿とのこと、それをお願いします。まあ、この場でその味を表現できないのが残念でございますが、臭みなどは微塵もなく、濃厚なソースによく合った一品でした。その他メニューを見ると、どうもワインも食事代に含まれているようです。給仕してくださったマダムに聞くと、特別に銘柄を指定してワインを注文すると別料金だが、そうでなければそのお料理に合ったワインをグラスで出してくださり、それは食事代に含まれるとのこと。それでいて、その食事代は、おそらくパリやブリュッセルのビストロで食事後に支払う総額とほぼ同等、いやそれ以下ではあるまいか、と思えるもの。アクセスの不便さを考えても、訪れるべき街だと思います。
写真左:宿泊・食事のLe Sanglier des Ardennes
写真中:アミューズ
写真右:オードブル
写真左:魚料理はオマール
写真中:メインの小鹿料理
写真右:デセールはショコラ。さすがベルギー!