宮下 綾乃

2012年中途入社
所属部署 アジアファクトリー


Career pass

01

学生

「タイの山岳民族の集落を周遊する」という初海外ひとり旅でお世話になった現地旅行会社の社員に憧れ、旅行業界に興味を持つ。

02

就職活動

現地での感動経験を基に旅行をつくるSTWの方針に惹かれ、入社を決意。

03

ホテルスタッフ&大手旅行会社社員

STWから転職し、西表島のホテルで1年半働く。
大手旅行会社に転職し、STWとの違いに驚く。

04

販売&企画

STWに再入社。
カンボジアやベトナムで人気企画を連発。

同じ旅行会社なのに、働き方が全然違う

実は私は、出戻り社員です。新卒でSTWに入社し、2年で退職。ホテルや大手旅行会社での勤務を経て、28歳の時にSTWに再入社しました。

以前の私は旅行事業を行う会社であれば、規模は違っても、働き方に大差はないと思っていました。しかし、それは大きな間違いだったことに気づきます。

他社を経験したからこそ分かる、STWの良いところや大変なところを正直にお話しさせていただきます。

STWを2年で辞めた理由

STWを2年で辞めてホテルに転職した理由は、「お客様の喜ぶ反応を直に見たい」と思ったためです。STWでの仕事は楽しかったものの、会社のデスクからは現地で楽しむお客様の姿を見ることはできません。「もっとお客様の近くで旅の間ずっと寄り添いたい」という思いから、沖縄のホテルに転職し、マリンアクティビティを楽しむ宿泊客のサポートを1年半ほど行なっていました。

入社時代の写真

だけど「やはり旅行会社が良い!」と思って、次に転職したのが、「IT×旅行」で急成長したA社です。オンラインに強く、短期間で事業拡大に成功したA社は誰もが知る有名企業。売上高でいえばSTWの倍以上で、上場もしています。

「旅行会社によって働き方が全然違う」と気付けたのは、この企業との出会いのおかげでした。

効率vs要望、どちらがタイプ?

真っ先にSTWとの違いを感じたのは、「接客」でした。

ITに強いA社の接客は、まさに効率重視。海外航空券とホテルがセットになったツアーを、迅速かつ的確に販売できる独自システムが構築されていました。マニュアル化が進んでいるため、このホテルについて質問されたらこう答えましょう、という想定問答も豊富。経験が浅くても、実際に旅先を見たことがなくても、接客ができるための細かな配慮がされていました。

「こんなにスムーズに大量の案件を処理できるなんて」とA社のシステム力の高さに感激する一方、STW出身の私は心苦しさを感じていました。

なぜなら、STWの接客は効率ではなく、お客様の要望重視。理想の旅を叶えるオーダーメイドの旅行プランが多く、自由自在なアレンジこそ社員の腕の見せ所でした。

例えば、ある老夫婦がベトナムで働く息子夫婦に会いに行くとします。泊まりたいのは、息子夫婦の自宅から近いホテル。ですが、A社では航空券とホテルのセット販売で低価格を実現しているため、選択肢に無いホテルの指定はできません。どうしても宿泊したいホテルがある場合は、お客様ご自身でホテルを予約していただくか、そもそもの取り扱いをお断りすることになります。

一方STWであれば、久しぶりに会う息子夫婦と楽しみたいというニーズを聞き取り、「ホテルではなく、家族全員で宿泊できる大きなヴィラはいかがですか?」とご提案できます。現地支店スタッフの力を借りて、「庭でBBQができるよう準備しておきますね」と手配するのも当たり前でした。

A社時代にこうしたお問合せを頂いたときは、「家族で最高の思い出になる旅行をご提案できるチャンスなのに…」と、歯痒く思いながらお断りのメールをお送りしていました。

もちろんSTWの大変さもあります。自由自在のアレンジが売りなので、マニュアルが通用しません。お客様にお送りするメールにテンプレートが無いぶん、先輩に相談しながら自分で考える必要があり、新入社員泣かせです。メール作成やお客様対応にかかる時間も比較的長く、効率的とはいえません。

デスクワーク

ですが、帰国したお客様から感謝のメールや手紙、お土産をいただいたりなど、時間と手間をかけたからこそ生まれるお客様との関係が、STW時代の私にとっての大きなやりがいでした。

STWの当然が他社では全く通用しない

「同じ旅行業でも働き方がこんなに違うのか」と衝撃を受けていた私に、追い討ちをかけたのが、STWの同期の存在でした。

社会人4〜5年目のSTWの同期たちが、視察や出張で世界各国を飛び回り、現地で仕入れた情報からツアーを企画し、会社のホームページでバンバンPRしていたんです。

ベトナム視察中の同期たち

もちろんA社でも海外視察や企画作りを実施していました。ですが、主力メンバーは40、50代のベテラン社員。私がこの先10年以上在籍してもできるか分からない企画の仕事を、STWでは入社4〜5年目の同期が楽しそうに行っています。

全社員が海外研修に行く。
若手も企画をする。
お客様の要望を細かく聞いて行程をアレンジする。

STWにいたときは当然だと思っていたことが、すべて特別だったと痛感した瞬間でした。
「STWに戻りたい…」と思った私は、若気の至りで恥ずかしい限りですが、一度は離れた会社の入社試験を受け、再び働くことになりました。

初めてのツアー企画、問い合わせが全く入らない!?

戻ってこられたありがたみを感じながら働くこと約1年。 上司から「宮下さんって登山が趣味だよね?ブータンの商品企画をやってみない?」と声をかけてもらいました。「え、なんでブータン?」と一瞬思いましたが(笑)、面白そうだったので挑戦してみることに。

ブータンといえば寺院巡りが王道です。お申し込みが多いのは、ひとり旅好きな30、40代の女性層。彼女たちに響く新たなツアーを企画し、ブータンの楽しみ方を広げることが狙いでした。

新たな楽しみ方として注目したのは、トレッキング。現地視察や情報収集の結果、ヒマラヤの山々に囲まれたブータンは、実は大展望を望める穴場スポットということがわかったからです。

早速トレッキングと観光名所をめぐるツアーを企画して、ホームページに掲載する文章も自分で考えました。しかし、どれだけ待っても予約が入りません。

当時のSTWにはトレッキングメインのツアーの前例がありませんでした。誰もやっていないということは、売れない企画なのか?と不安に思いましたが、初めての企画をなんとか成功させるべく、人脈を頼って海外山岳ツアーを専門に行う会社の方に相談にいきました。

そこで得たのが、「ターゲットが30、40代の女性ならホテルランクを上げてみたら?」という助言。ツアー全体の料金は上がるけど良いのかな?と恐る恐る改良してみたところ、本当に30代の女性のお客様から予約が入ったので驚きました。価格の安いものではなく、お客様のニーズに合わせたプランが売れる、ということを学んだ良い思い出です。

初めて企画したツアーに申し込みがあったときの喜びは忘れられません。企画から予約の手配、帰国まで一貫して携われることが嬉しく、 その後はブータン、モンゴル、カンボジア、ベトナムと、どんどんマーケットが大きい国の企画に挑戦させてもらえました。

自身の経験を後輩にも伝え、企画に活かしてもらえるよう努めています

友達や家族を一番幸せにする旅を考える

販売でも企画でもコツは、「自分の友達や家族を一番幸せにするのはどんな旅だろう?」と考えることだと思います。すると妥協せずに、具体的なイメージができるので、私はいつも念頭に置いています。時にはプライベートで家族や友人を自分がつくったツアーに連れて行き、「頑張ってつくってよかった。やっぱり良いツアーだ」と自画自賛することも。

「このホテル好き」「この景色が綺麗」という自分の感性や、自分らしさを表現できる、旅行をつくるという素敵な仕事に、ぜひチャレンジしてもらえると嬉しいです。

家族を連れてアンコールワットを訪れた時の一枚