毎年、年に2回のペースでマレーシア・シパダン島周辺を旅する我ら夫婦ダイバー。いつもなら延泊してのんびりするのですが、この夏は2人の予定がなかなか合わず、旅行中止の危機に!しかし、昨年秋から始まった羽田発着コースを使えばギリギリの日程で行くことが可能であることが判明しました。さて、この羽田発着6日間の弾丸ツアー、わたしたちの体力はついていくのか?そして、本当にシパダン島ダイビングが実現するのか??
今回泊まったのは、マレーシアのカパライ島にあるカパライアイランドリゾート。「島」と言っても満潮時にはほぼ陸地がなくなってしまうサンゴ礁の浅瀬に建てられた、全室水上コテージのリゾートです。建物は海風がよく通る構造になっていて、エアコンなしでも快適に過ごせました。陸地がほぼない分、蚊などの虫が少ないのもうれしいところ。
各部屋には広いデッキがあります。夕方には広い海を眺め、夜には満点の星を見上げ、のんびり気分。ダイバーとしては、最終ダイビングの後、機材を干すスペースにもなります。
洗面所には、東南アジアの島には珍しくバスタブもついていました。ダイビングで長時間海水に浸かった後には、このバスタブの存在は心強かったです。
写真左 : 客室外観
写真中央 : 海が見えるデッキ
写真右 : 洗面所。バスタブもボウルも素敵!
リゾートでは3食食事つき。シパダン島に行く日以外は、食堂でのバイキング形式でいただきました。写真はメインのバイキングテーブルですが、これ以外にサラダコーナー、飲み物コーナー、スイーツコーナー、果物コーナーなどがあり、全種類食べようとしたらかなり危険?!
メニューはマレーシア料理が基本。カレー風味や中華炒め風のおかずが多いです。東南アジアの料理というと、「辛い!」「コリアンダーたっぷり!」というイメージですが、辛い料理やコリアンダーが苦手な私でも、食べられるメニューが多かったです。
土曜の夕食はバーベキューパーティー。マレーシア名物のサテというピーナッツソースで味付けした焼き鳥もありました。
バターケーキやマドレーヌなどの焼き菓子もいろいろと用意されていました。食後のデザートとしてだけではなく、ダイビングの合間などのお茶菓子としてもいただきました。
写真左 : 毎回ずらりと並ぶ食事!
写真中央 : バーベキューを前に、ついはしゃぐ私
写真右 : 甘い物を前に、うかれる私
今回の旅行の最大の目的はシパダン島周辺でのダイビングです。このシパダン島、かつては宿泊することもできましたが、自然保護のために島内のリゾートは閉鎖。現在は、他の島などのリゾートからボートで行って潜るしかありません。しかも、一日のダイバーの人数が決まっていて抽選になるので、シパダン島ダイビングができるかどうかは前日までわからないのです。今回は、延泊なしの6日間(実際にダイビングできるのは4日間)だったので少々心配しましたが、無事に1日シパダン島ダイビングが楽しめました。
カパライのリゾートでうれしいのは、シパダン行きの日に朝5:30からの早朝ダイビングができること。この時間に潜ると、カンムリブダイの大行進が必ず見られるのです。体長1m近くあるカンムリブダイが行列を作ってのんびり移動する様子は、上から見ても、下から見ても迫力満点!タイミングが合えば、こちらに突進してくることもあります。
写真左 : シパダン島に上陸!
写真中央 : 一見ブサイクだけど愛嬌たっぷりなカンムリブダイ
写真右 : カンムリブダイの行列を下からのぞいたところ。
今回のシパダン島は、残念ながら透明度が悪かったです。いつもなら、5m付近での安全停止時にはサンゴの上で泳ぐキンギョハナダイの群れにカメラを向けるのですが、濁っていて撮影には不向きなほど。
そんな中でも、ギンガメアジやバラクーダのトルネードはたっぷりと見ることができました。ここ数年、年2回のペースでシパダン島周辺を潜っている私たちですが、一時期よりも魚が増えてきたように感じました。
写真左 : いけすの中ではありません。ギンガメアジの群れ。
写真中央 : バラクーダの群れ
写真右 : バラクーダのアップ
シパダン島に行けない日は、カパライ島やマブール島でボートダイビングを1日3本行います。実際には、到着時はボート1本、最終ダイビング日も翌日の飛行機の時間との兼ね合いで2本ですが。でも、6日間の日程で4日間10本もボートダイビングができるって、すごいことです。さすが羽田発着コース!
今回のツアーでは、マブール島で3本潜りました。マブール島は「へんてこな生き物が多い」というのが私の印象。ソフトボール大のカエルアンコウがいたり、砂地からウミヘビが顔をぬぅっと出していたり。ギンガハゼやテンスの幼魚、セミホウボウなどにも会いました。
珍しいわけではないのですが、ふと水面を見上げるとアオリイカが数匹泳いでいるのを見つけ、透明感が美しかったので、ついつい我が相方のフィンを引っぱって教えました。
写真左 : 大きいカエルアンコウ
写真中央 : ギンガハゼ
写真右 : セミホウボウ
ボートダイビング以外にも、ダイビングセンター前の桟橋からエントリーするセルフダイビングを楽しみました。セルフダイビングではハナシャコやニシキフウライウオ、オトヒメエビ、カエルアンコウ等に出会えました。セルフなら、他のお客さんと時間をずらして潜ることができるので、より丁寧に生き物を探したり、じっくりと観察できたりするのがいいですね。
このツアーでは、最終的に14本潜ることができました。本数は多いけど、バタバタした印象はなかったです。リゾートにいる間は、潜る、食べる、寝る以外のことはほとんどしていない分、のんびりできるし、同じことをしているから我が相方との会話もはずみます。
写真左 : ハナシャコ
写真右 : ニシキフウライウオ。これでもお魚です。
このツアーは自然と早起きができるくらい、朝のお楽しみが満載です。一つは、シパダン島のところでご紹介した5:30からの早朝ダイビング。もう一つは、シパダン島に行かない日に味わえる7:00からの朝食。
バイキング形式が基本なのは昼や夜と同じなのですが、朝食限定で毎日食べられる焼きたてワッフルと焼きたてオムレツがすごくおいしい!!特にワッフルは、自宅では焼きたてを食べることはないので、毎回楽しみにしています。
写真左 : ワッフル・オムレツ以外にも、つい食べ過ぎてしまいます。
写真右 : 目の前で焼いてもらえます。オムレツ以外にも目玉焼き等の注文も可能。
シパダンダイビングと聞くと、難しそう、と感じる方もいるのでは?私も初めて潜ったときは、流れが強かったり、海底が見えない壁沿いを移動するコースがあったりして、ドキドキ。
ところが、今回3日目のボートダイビングでご一緒した外国人のご夫婦、年齢は高めですが水中での姿勢を安定させるのが苦手な様子。しかし、翌日のシパダンダイビングから帰ってきた奥様は「私、4本も潜ったのよ!カメとかいろいろ見られて幸せ!!」(実際は英語。しかも私は英語が苦手なので超意訳です。ご容赦を!)と、満面の笑みで教えてくれました。その隣でご主人もニコニコ。さらに、その日の夜のビデオ上映会で映っていたお二人の様子を見ると、何だか前日よりも上手に潜っている!!
きれいな海、たのしい海でリラックスして繰り返し潜ると自然と上手になる、ということでしょうか?私もその前向きに楽しむ姿勢を見習いたいと思いました。
写真左 : ビデオスタッフが毎日のシパダンダイビングの様子を撮影し、夕食後上映会をします。
写真右 : 撮影・上映したビデオは希望者に販売。私も購入しました。
今回の羽田発着弾丸ツアーは、23:35羽田集合1:35羽田出発。出発便では2時頃に機内食が出る等であんまり眠れず、体力がついていくか少々不安でした。
しかし、振り返ってみれば、空港での乗り換え時間が往復ともにかなり短縮されており、リゾートを満喫しつつ、体力的にも余裕をもって旅行を楽しむことができました!
写真左 : 帰りの機内食。これと同じボリュームの機内食が、行きの深夜2時頃にも提供されます。
写真右 : 帰りの機内から見た夕焼けと三日月。早くも、次の旅を思い描く瞬間です。