フランスで最も美しい村~Saint-Cirq Lapopie~訪問記 | フランスの旅行記

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フランスで最も美しい村~Saint-Cirq Lapopie~訪問記

エリア
フランス
/フランス
テーマ
街歩き
時期
2015/10/4~2015/10/5
投稿日
2015/10/20
更新日
2017/10/6
投稿者
小圷 孝幸

 結局2015年の凱旋門賞は、(自分にとって法外とも思える)高額な入場料を嫌って、ロンシャンに行くことはありませんでした。その代わりに、パリ中心部にある現代美術館であるポンピドーセンターと、そのとなりにあるEspace Course PMUを訪れたのち、これは例年と同じく、風前の灯と化した夜行列車に乗って、フランス南西部、ミディ・ピレネー地方へ行くことにいたしました。

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日数:5日間  
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  • バスティーユで朝ごはん

     ラグビーワールドカップ観戦を終え、とんぼ帰りの夜行バスで再びベルシーに到着。今日は日が暮れるまでパリにいるつもりです。とはいってもやることはいつもと一緒、せっかく第1日曜日ですので無料で入れるどこかの国立の美術館で美術観賞、夕食を取って夜行列車の出る駅に向かうだけです。


     先に書いたとおり、今年の凱旋門賞に日本馬の出走はありません。去年の優勝馬トレヴ(昨年は連覇)の三連覇なるか?という話題性だけですので、いくらなんでもそんなに甘くはないだろうと、この時点での2番人気馬ニューベイを軸に、TRIO(三連複)で勝負することにして、まずは朝ごはんをとるために、貸し自転車Vélibを利用しバスティーユ広場へ向かいます。バスティーユからマレ地区へ、ちょうど人間の腕を少し曲げたように伸びるRichard Lenoir通りは、車道と車道の間に緑の舗道が整備され、毎週木曜と日曜にマルシェが立ちます。だいたい午前9時ころからオープンし、お昼過ぎまでやっているようで、食べ物から肉、魚、調味料、衣類、お土産ものなど何でもあります。その場で食べられるファーストフードのようなものも充実していますので、もしホテルでのパンとカフェオレだけの朝食に飽きたら、こちらまで出向いてくるのもいいかもしれません。


    写真左:日曜市の中からバスティーユの塔をのぞみます。

    写真中:逆に塔を背にマルシェを撮影。

    写真右:朝食。レバノン風串焼きをフランスパンに挟んだサンドイッチと、にんじん、りんご、生姜入りミックスジュース。このほかにブロン産生牡蠣9個と白ワイン1杯をいただきました。

  • フランス版のWINS?

     朝食を終え、マルシェの中の新聞屋(こういう屋台も出ている!)でパリチュルフ(競馬新聞)を求めてから、再度自転車に跨りレアールへ。


     昨年の馬券購入時に学習したPMU(場外馬券売場)は、勿論パリ全土、フランス全土に数多くありますが、だいたいがカフェやタバコ屋と一緒になっています。まあカフェとクロワッサンをいただきながらマークカードを塗って、おやじに差し出して馬券買うのも味があっていいですが、大体のお店が喫煙天国になっていますので、できれば長居したくはないようなスペースなのです。


     そこで、この日行くべき美術館を、ポンピドーセンターに決めたとき、最も近いPMUをウェブサイトで探したところ、「Espace Course PMU」というところがヒットいたしました。直訳すれば「空間」「競馬場」「場外馬券売場」?もしかしたらタバコ屋併設ではなく単独の馬券売場?日本のWINSのようなものか?


     果たして、まさにその通りでした。日本のWINSのように何階建てでフードコートやモニター設置の指定席などがあるわけではなく、単にマークカードを書いて差し出す3台の窓口と、当たり馬券を換金する機械と、TVモニターがあるだけのスペースですが、これでタバコの煙に悩まされずに馬券購入ができます。来年以降、また凱旋門賞を見に行く機会もあるかもしれませんが、その時でも馬券はここで購入してからゆっくりと競馬場に向かう方がいいかもしれません。


    写真左:ポンピドーセンター最上階からのぞむパリ市内(昼間)エッフェル塔とサクレクールが一望できます。

    写真中:一旦外に出て馬券購入したEspace Course PMU。ポンピドーセンターの道路に面している側の南隣にあります。

    写真右:レース終了後再度センター最上階からの夜景

  • フランスではまだ健在!簡易寝台付夜行列車

     先に「もう4年め」と書きましたが、4年間全く同じ行動パターン、競馬のあと夕食をとって夜行列車で地方へ、というのですが、今年も決行いたします。


     ポンピドーで夜景なんぞを見ていたら、いい時間になってきましたので、マレ地区にある、日本人シェフと日本人スタッフが経営されているフレンチレストランに行くことにします。当然事前に予約してから行きますが、何といってもこのパリという街で、日曜の夜にまともな食事をしようとすると、相当の苦労を強いられることになります。


    「どこも営業していないじゃん!」


     今まではプラスディタリー周辺の中華街まで行くか、軽食で済ますかどちらかでしたが、最近は○REA Travellerという雑誌がスマホで読めるようになっていますので、レストランの情報を求めてダウンロードします。その結果見つけた、貴重な日曜営業のビストロです。


     とてもおいしかったのですが、日本人感覚で食事時間は長くても90分、と見込んでいたところ、大人気店であることを失念していたために、列車の発車時刻が刻々と迫ってくることになりました。列車はオステルリッツ駅を22:40過ぎに出発するのですが、22:10の時点でやっとメインを食べ終わり、フロマージュとデセールを待っている状態でした。日本人のスタッフ(おそらくシェフの奥様ではないかと思います。)にすみません、列車の時間が…とお断りして、急いでデセールを出していただき、食べながら会計、Velibに飛び乗り、何とかセーヌを渡り、オステルリッツに着いたのは発車の5分前でした。


     日本では東京発の夜行列車が全廃された今、貴重な夜行列車での旅のはじまりをゆっくりかみしめたかったのですが、バタバタと指定された寝台にもぐりこんだのでした。


  • フランスで最も暗い街?いやいやそうではありません!

     パリのオステルリッツ駅を出たToulouse行き寝台列車は、翌朝、定刻の5分前05:10にCahorsとういう駅に着きました。今日の午前中は「フランスで最も美しい村」に認定されているサン・シルク・ラポピー~Saint-Cirq Lapopie~を訪れます。(私が大学で習ったフランス語では、単語の最後のQは発音することが多いと教わったので「シルク」でいいのではないかと思いますが、「シル」としている方が多いですね。)


     Cahorsの駅前から06:00のバス(昔鉄道が通っていて廃止になったための列車代行バスなのでユーレイルパスなどがそのまま使えます。)に、地元の高校生と一緒に乗りこみます。通学バスに1人だけ変なオジサンが混ざったような感じです。運転手にパスを見せながら「Saint-Cirq Lapopieまでお願いします。」と言って乗りこみます。(この時運転手は何も言いませんでした…)走ること40分、地元の高校生は誰1人降りることもなく(Figeacあたりまで通学するのだろうか)、車内のモニターが「次はSaint-Cirq Lapopie Rive Droite」と表示されたので、降車ボタンを押します。その時運転手が話しかけてきました。


    ~サンシルの村まで行くのか?

    ~はい

    ~それならばここではなくもう少し先で降ろしてあげよう。

    (そのまま2分くらいバスを進め、)

    ~この三叉路で降りて、橋を渡って15分歩くと村に着くよ。

    ~ありがとうございます。


    ということで、バス停でないところで降ろしていただきました。まだあたりは真っ暗で街灯すらありません。明りは道路標識を照らすナトリウム灯のみ…真っ暗な中スマホの地図を確認し、やっと状況がつかめました。


    事前にインターネットで検索すると、サンシルへ行くにはTour de Faureというバス停で降りて歩くこと、という記述が多くヒットします。ただ自分としてはそのインターネットの情報が古いだけで、観光地として有名になったが為に、サンシルのバス停が新たに設置されたのだろうと思っていました。しかしそれが間違いであったことがここでわかりました。


     先ほどのバス停、Saint-Cirq Lapopie Rive Droiteは、サンシルの街の川の対岸という意味だったのです。このバス停で降りても、川に橋がかかっていないので、対岸のサンシルの街には行けない、このバス停と件のTour de Faureのバス停の途中にこの三叉路があり、そこから橋を渡って街に行く、ということがわかりました。


     先ほどの運転手に感謝しながら真っ暗な一本道を村の方向へ登ります。確かに15分ほど歩くと、村を見下ろす展望台のようなところ(駐車場)に出ましたが、7:30を過ぎてもまだまだあたりは暗く、ここで日の出を待たなければなりませんでした。待たなければなりませんでしたが、待っただけのことは十分にある景色がこの後展開していきます。


    (冒頭の3枚の写真は、時間を追うごとにその表情が変わる村の外観です。)

  • Saint-Cirq Lapopie スライドショー~1~

  • Saint-Cirq Lapopie スライドショー~2~

  • Saint-Cirq Lapopie スライドショー~3~

     風景は美しいのですが、村のカフェも観光案内所もやっていなく、食べたり買い物したりすることはできませんでした。が、私の下手な写真でもその美しさはお分かりいただけるものと思います。


     11:00になったので、Cahorsへ戻るバスの時刻が近付いてきました。先ほどの三叉路を今度は逆に少し進むと、件のTour de Faureのバス停が見えました。先ほど村のキャンプ場に「Tour de Faureのバス停近くにパン屋があります」という掲示がされていたので、期待して行くと、日曜・月曜午前定休日でございまして、この日の朝食を取り損ねたのでした。

  • ゲートウェイシティ~Cahorsという街

    サンシルのゲートウェイのカオールという街は、サンシルまで流れるロット川(フランス語でLotと書くそうで、こちらのTは発音しないはずなんですが…)にかかるヴァラントレ橋と、特産の色の濃い赤ワイン(黒ワイン~Vin Noir)でそこそこ有名な街です。バスが着いた駅前から少し歩いて、ヴァラントレ橋を見て、街の中心のレストランでの昼食のとき、黒ワインを試してみました。黒ワインといっても見た目も味も赤ワインですが、こころもちタンニンが強いかなという、私好みのワインでほろ酔い状態になったのち、駅に戻り本日の宿泊地、ナントへ向かいます。